エンタープライズ:ニュース | 2003/10/22 10:51:00 更新 |
「障害は独禁法調査機関の承認のみ」、PeopleSoft買収に自信を見せるOracle
パリのOracleWorld 2003 ParisでOracleのCEO室担当執行副社長、フィリップス氏が、PeopleSoft買収に関する記者会見を行った。同氏は、「独占禁止法以外の問題は克服できる」と自信を見せた。
10月21日、仏パリで開催中の「OracleWorld 2003 Paris」カンファレンスで、OracleのCEO室担当執行副社長、チャールズ・フィリップス氏が、PeopleSoft買収に関する記者会見を行った。同氏は「買収提示金額の吊り上げは行わない」と強気な姿勢を示したほか、「買収は、競争を強化する」と独占禁止法に違反しないことをアピールした。
6月初めにPeopleSoftがJ.D. Edwardsを17億ドルで買収すると発表した数日後、OracleはPeopleSoftに対して買収提案を仕掛け、業界を驚かさせた。以来、先の見えない状態がもう4カ月以上も続いている。
Oracleは現在、米国と欧州においてPeopleSoft買収に関して申請を行っており、両独占禁止法機関は調査にあたっている。また、Oracleは先週末、PeopleSoft株式公開買い付け(TOB)期限を12月31日までに再度延長した。同社がTOB期限を延長するのはこれで5度目で、現在の買収提示額は、引き続き1株当たり19.5ドルとなっている。
この日、フィリップス氏は、「買収の障害があるとすれば、独占禁止法の監督機関からの承認が得られないことだ」とし、それ以外の問題(PeopleSoftの拒否など)は克服できるとした。
「DECをCompaqが買収し、CompaqをHewlett-Packardが買収した。皆、自社より大きな企業に吸収されることで、さらに良くなっていった」として、買収によりPeopleSoftおよび同社の顧客が得られるベネフィットは大きいと話す。
「(買収後の)移行は問題ない。すぐに移行する体制を整えている」(フィリップス氏)
買収提示額の吊り上げに関しては、米国と欧州の独占禁止法監督機関から承認を得られるまで行わないという強気な姿勢を示した。このところのPeopleSoftの株価上昇に対しては、「(PeopleSoftは)アグレッシブになっているだけだ。良い予測を打ち出して株価を引き上げるという戦略に過ぎない」とコメントするにとどまった。
同氏によれば、早ければ11月末から12月に買収が認められ、移行プロセスに移ることができるという。
関連記事中堅および小規模事業者がOracle 10gを導入するメリットは?
「Unbreakable」から2年──セキュリティへの取り組みはOracleに何をもたらしたのか?
OracleWorld 2003 Paris開幕、「グリッド」が海を渡り欧州へ
欧州が下す判断はOracleの買収計画にどう影響するか
グリッドの幕開け、Oracle 10gが国内デビュー
OracleWorld開幕、Oracle 10gが「グリッドの時代」を告げる
OracleWorld 2003 San Francisco Report
Oracle vs. DB2――仁義なき戦い データベース編
激震するアプリケーション業界
[末岡洋子,ITmedia]