| エンタープライズ:ケーススタディ | 2003/11/03 15:01:00 更新 |

IT People:マーケティングの切り札は直観力
アドビシステムズでAcrobatのマーケティングを担当する米澤氏に聞いた。米澤氏は、豊富な海外経験と独自のアイデアで、Acrobatを同社の顔へと押し上げる原動力になった。
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過去
1995年、丸紅ドイツを退職して帰国。カールソンマーケティンググループ日本支社でマーケティングコンサルタントを務める。1997年アドビシステムズ入社。
「アドビに入社したとき、社内的にAcrobatという製品は、安定した地位にはありませんでした。当時は“アドビと言えばPhotoShop”という時代。その中で、自分からAcrobatをやりたいと言ったときは、周囲に驚かれました。ただ、そのときは、今後Acrobatが重要になることを直感したのです」
現在
Acrobat4.0から現在の6.0まで、マーケティング活動の立案、企画、実施、効果測定まで、全般を担当している。顧客のターゲッティングや、セミナーの運営、製品の機能の紹介、e-ラーニングのコンテンツ作りなどを行っている。
PDFによるペーパーレス化を推進する「ePaper」の取り組みでは、これまで紙を大量に使うユーザーであったエンジニアや建設業者などを対象に、ビジネスのスピードアップやコストダウンなどのメリットを伝えている。今後は、電子政府の発展を支えるために、まだAcrobatが浸透していない地方自治体などに広めていきたいという。
「現在では、“アドビと言えばAcrobat”と言われるようになっています。ただ、悩みは、Acrobat=Adobe Readerと思っている人が今も少なくないことです。無償の製品でどうやって利益を上げるのかと言われてしまうことも多い。Acrobatの多岐に渡る機能をユーザーに分かりやすく伝えていきたいと思います」
ZDNet アドビとしての今後の戦略はどんなものですか?
米澤 これからは「PDF Everywhere」を進め、多くの人にもっとPDFを使ってほしい。紙データを減らすことによるコスト削減だけでなく、電子署名などさまざまな用途に応用させていきたいと考えています。
ITに関わっていて楽しいと思うとき
「セミナーの人数が増えたり、認知度が上がるなどして、ユーザーが増えていることを実感したときがうれしい。また、自分の手がけた製品が世の中に出て行くときも楽しい。」
ITに関わっていてやめたいと思うとき
「製品のリリース、ターゲットごとの売れゆきの分析、マーケティング戦略の見直し、また製品のリリースというサイクルが常にあり、それを少ない人数でやらなくてはならず、とにかく忙しい。数字に追いかけられ、いろいろな人とコミュニケーションと取らなくてはならないという意味では、エンジニアとはまた違った大変さがあります。」
注目の技術
「PDFとXMLの連携です。PDFで入力したデータをXMLで基幹システムのデータベース(DB)と連携させることで、電子申請書などを発行することができると考えています。DBと連携できれば、Web上からPDF形式の用紙に必要事項を書き込み、料金の支払いまで完了させてしまうことができるのです。」
趣味
「ワインと料理。自分の好きなワインを一番おいしいと思える環境で飲むことです。 田崎真也氏のワインスクールにも2年半に渡り通いました。世界のワインを味わったときに、何年にどこで作られたか、味覚をはじめ五感を動員することでだんだん分かるようになります。それが当たるとすごくうれしい。」
ZDNet 仕事に役立つことはありますか?
米澤 ワインの味を分析することは、マーケティングに通じるものがあります。何を持ってモノを見るかという感覚が養われるのです。しだいに、人の話を聞いたり、数字を見たりしたときに、重要なアイデアなどがピンと浮かぶようになってきます。また、仕事をする上で、ワインの知識があることで、コミュニケーションが取りやすくなりました。
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[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

