| エンタープライズ:ケーススタディ | 2003/11/12 23:16:00 更新 |

IAFが提供するオープンソースOLAPツールについて考える
アイエイエフコンサルティング、オープンソースのOLAPツール「OpenOLAP」の開発に着手すると発表した。オープンソースのOLAPツールが企業に普及するために必要なことは何か。
アイエイエフコンサルティング(IAF)は11月11日に、オープンソースのOLAPツール「OpenOLAP」の開発に着手すると発表した。旧山一證券のシステム子会社出身者が1998年に設立したという同社は、データの多次元分析などを行うためのデータウェアハウス(DWH)やOLAP(OnLine Analytical Processing)、ビジネスインテリジェンス(BI)を専門分野とするコンサルティング企業だ。
同社は、政府関係機関の情報処理振興事業協会(IPA)が公募したオープンソフトウェア活用基盤整備事業において、「高速、高効率なオンライン分析処理サービスの開発」プロジェクトで応募したところ、採用を勝ち取ったという。それが、OpenOLAPの開発に着手したきっかけになった。
開発されるOpenOLAPツールは、オープンソースのデータベース管理システム「PostgreSQL」に追加される機能として利用するもの。OpenOLAPを利用することにより、PostgreSQLをDWHとして利用することが可能になる。結果的に、オープンソフトウェア環境でデータベースからビジネスインテリジェンスの機能までもカバーできるようになるため、ユーザー企業は開発およびライセンスコストを低減できることがメリットになるという。
システム構成をまとめると、OpenOLAPが前提とするのは、Linux上でデータベースとしてはPostgreSQLを利用する環境。さらに、WebサーバにはApacheを利用する。そして、OpenOLAPは、PostgreSQL上のメタデータやOLAPキューブ、Apache上に導入されるキューブ生成および参照ツールなどを活用するツールとして使われる。
通常ユーザーは、データベースとしてOracleやDB2、SQL Server、さらに、OSやWebサーバを含めて、基本的に高価なライセンス料を支払ってシステムを構築する。だが、IAFが想定するシステムならば、すべてオープンソフトウェアを利用できるため、コストを低く抑えることが可能になるわけだ。
ただし、これまで企業の基幹システムとして、例えばPostgreSQLがそれほど利用されてこなかった理由は、やはりソフトウェアへのサポートの問題が1つにあった。つまり、不具合が出た場合の責任の所在が、オープンソースのソフトウェアでは明確にならないため、企業が導入するにはリスクが伴った。
これに関して、IAFのマーケティング部ディレクターを務める平井明夫氏は、「普及のためにIAFが中心となって活動する。」と話す。SourceForge.jpなどの公開開発環境と協力して、製品のメンテナンスやバージョンアップを進めていくという。また、OpenOLAPの商用化へのシナリオとしては、IAFが提供する製品に管理会計などのアプリケーションを組み込むケース、ERPベンダーによる製品としての組み込み、システムインテグレータによる利用などが想定されている。
システムダウンが許されない基幹システムにおいては、ユーザー企業は例外なく保守的な姿勢を取っている。コスト優位性が高くても、メンテナンスやサポート体制が脆弱では見向きもされない可能性もある。その意味では、IAFがどれほどサポート体制を充実させるか、あるいは間接的にでも誰かがそうした仕組みを構築できるかに、商用化後の成否の行方は握られていると言っていい。
関連リンク[怒賀新也,ITmedia]
