| エンタープライズ:ケーススタディ | 2003/11/20 22:14:00 更新 |

ガートナー予測の10年後のネットワーク社会、技術と社会が激しくせめぎ合う?
「Gartner Symposium ITxpo 2003」のセッションの1つとして、ガートナーのリサーチフェローのジャッキー・フェン氏が、「先進テクノロジーシナリオ:ネットワーク社会、ネットワーク企業」をテーマに講演を行った
ガートナージャパンは11月19日から3日間、東京・お台場で「Gartner Symposium ITxpo 2003」を開催している。セッションの1つとして、同社のリサーチフェローのジャッキー・フェン氏が、「先進テクノロジーシナリオ:ネットワーク社会、ネットワーク企業」をテーマに講演を行った。「次の10年における・・・」がキーワードになっており、ITを駆使した社会が今後どのように形を変えていくのかを考える上で参考になる内容となった。
「次の10年におけるハードウェアの革新」では、無線自動認識(RFID)が具体的な技術として取り上げられた。物理的な世界と電気的な世界の橋渡しをする役割をRFIDが担うという。例えば、個々の製品にRFIDという電気的なタグをつげることで、物流段階における製品の検収作業などがなくなるなど、在庫管理の作業負担が劇的に減る。結果的に、サプライチェーンの自動化を図れることなどが、RFIDの典型的な意味での「革新」となる。この分野はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として、特に日本や米国で盛んに進んでいる研究。
無線ネットワークでモバイル環境が拡大
「2012年にかけて、無線ネットワークの組み合わせにより、モバイル接続環境が拡大する」(実現可能性は80%)
ガートナーの提言によると、今後の10年のモバイル接続環境は、Zigbee、超広帯域(UWB)、Bluetooth、Wi-Fi x.y、2.5/3/4Gなどの技術が混合することにより、信頼性、コスト、サイズ、帯域幅、通信範囲などを考慮した最適な組み合わせが生まれるという。
また、「2007年までに、多くの周辺機器をパーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)を介して接続するハブが出現する」との提言も出された。これは、電話やカレンダー、インターネット、MP3プレーヤー、カメラ、ビデオ、家/車の鍵、支払い、認証、バイオメトリクス、スタンガン発射、防虫といった機能を持つ機器を、ネットワークを通じて接続し、中心として機能する装置が出現するというものだ。
PCと人間の対話はやはりキーボード
さらにガートナーの仮説は、「2015年にかけて、人間による情報入力の大半をキーボード方式が占める(実現可能性は80%)」と続く。
コンピュータと人間の対話においては、バイオメトリクスや音声、手書き認識などの技術が挙げられた。さらに、歩行分析や、うその検出までできる可能性がある。物理的に注目されているものとしては、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光ポリマー、電子インクなどが挙げられており、電子新聞紙などを想定しているものと言える。
2012年、企業の扱うデータは12倍に
そして、最大の戦場と表現されたのがプライバシー分野だ。「2012年までに企業は2002年の30倍のデータを扱わなくてはならなくなる(実現可能性は70%)」という。
ここでは、テクノロジーと社会的な事情が争点になる。背景には、マイクロカメラ、RFID、バイオメトリクス、センサー、無線通信傍受、顔認識、映像分析、信用追跡など、テクノロジーの進展により、データ量が爆発的に増えるとの認識がある。
こうした技術発展と、それが及ぼす社会への影響が争点になっており、プライバシーの危機が典型的な問題として浮かび上がるという。
社会的な側面から見た懸念事項としては、「ガラス張りの社会は不可避か?」「DNA鑑定などデータの不公正な使用」「法制化をめぐる緊張」「データ分析能力がデータ収集能力に遅れを取る」などが示された。
一方で、「信頼を獲得できればビジネスの貴重な資産になる」として、技術の発展を好意的に取る考え方も紹介された。
関連記事関連リンク
[怒賀新也,ITmedia]
