エンタープライズ:ニュース 2003/12/09 21:14:00 更新


12月分の定例パッチはなし――米MicrosoftがWebで告知

米Microsoftは12月8日、12月分のセキュリティブリティンの発行はないとする告知を同社Webサイト上で公開した。

 12月分の月例パッチリリースはなし――米Microsoftは12月8日、12月分のセキュリティブリティンの発行はないとする告知を同社Webサイト上で公開した。

 米Microsoftは10月よりパッチの公開スケジュールを改め、「毎月第二火曜日」にまとめてリリースする方式を採用し、これまでに2回、そのスケジュールに沿ってセキュリティ警告とパッチを公開してきた。しかしながら、同社の告知によると「12月9日と予定されていた月次のリリースサイクルに沿ってのセキュリティブリティン発行はなし」という。

 ただし同社では前々より、緊急の必要があるパッチについては、月に1回という定例スケジュールとは別に公開するとしている。しかもこれに先立つ11月には、中国の研究者によって、まだパッチの存在しない複数のセキュリティホールがInternet Explorerに発見されており、マイクロソフトではその調査に当たっているという(12月1日の記事参照)。このことを踏まえると、月例パッチがないからといって気を緩めることなく、スケジュール外のパッチ公開に備えておいたほうがいいだろう。

 なおマイクロソフトは12月3日に、必要なパッチを提示し、配布するための仕組みであるWindows Updateに障害が発生したことを報告している(12月4日の記事参照)。この障害は数日間続き、利用できたりできなかったりする状態が続いていたが、12月8日になってようやく正式に復旧が告知された。

 今回の障害は、外部的な要因に起因するものではなく、Windows Updateのシステムの問題が原因という。

 しかし、例えば未然に防がれたとはいえMSBlast(Blaster)がWindows Updateサイトを狙ったように、Windows Updateを機能不全に追い込むような試みが今後もないとは断言できない。また今月は「なし」となったものの、月例パッチ公開のタイミングで、原因は何にせよWindows Updateに障害が発生する可能性も否定できないだろう。

 マイクロソフト広報部では、こうしたシナリオは「あくまで仮定の話に過ぎない」ことから、何ともいえないと述べている。ただ同社では、障害などが発生した際には、「トラブル・メンテナンス速報」などで、代替案とともに速やかにその旨を告知していく方針。いずれにしても、常日頃から「Protect Your PCキャンペーン」で呼びかけている「Windows Updateを利用する」「パーソナルファイアウォールを利用する」「最新のウイルス対策ソフトウェアを使う」という3項目に代表される基本的なセキュリティ対策で端末を守るよう心がけて欲しいとしている。

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[高橋睦美,ITmedia]