ケーススタディ
2003/12/18 19:36:00 更新


ビジネスの視点で考える次の情報システム

OracleWorld Tokyoの2日目、日立製作所が「ビジネス視点から考察する次世代情報システム」をテーマにセッションを開催した。ビジネスの視点からITや情報システムを見直していく必要について述べている

 OracleWorld Tokyoの2日目となる12月18日、日立製作所が「ビジネス視点から考察する次世代情報システム」をテーマにセッションを開催した。またこの日、アクセンチュアの戦略グループ統括パートナーの三谷宏治氏も「2004年IT活用経営5つのキーワード」をテーマに講演し、いずれも、ビジネスの視点からITや情報システムを見直していく必要について述べている。

 講演を行った日立製作所の情報通信グループ、Harmonious Computing統括センター長の森伸正氏は、企業のIT化のステージを「導入したが活用していない」「部門レベルの最適化は達成」「全社レベルの最適化」「他社を含めたバリューチェーン全体の最適化」という4つの段階に分けた。

 これは、経済産業省が今年の5月に発表した情報経済アウトルックからの出展。それによると、「部門レベルの最適化は達成」という2番目の項目までに、8割の企業が含まれる結果となった。森氏は、「この壁を打ち破るには組織改革が必要」とし、さらに、第4段階の企業間統合までいくには、顧客の視点からの再編が不可欠になってくると話した。すなわち、IT以外の視点を持たない限り、高いレベルのIT化は実現しないというわけだ。

 もう一方の講演で、アクセンチュアの三谷氏も、興味深い指摘をしている。インターネットが普及していく中で、顧客の「ステルス化」が進んでいるという。ステルスは、ご存知の通り、レーダーに感知されにくいことを特徴とする米軍の戦闘機のこと。

 例えば、一般消費者がマッサージ器の購入を考えたときに、現在はWeb上に実際の製品のレビューが豊富に蓄積されている。価格コムなどを参照することで、価格だけではなく、実際に製品を買った複数のユーザーが、性能やアフターサービスにどれだけ満足しているかといった情報を引き出すことができる。つまり、商品への相談がWeb上でできてしまうことになる。最近の顧客の傾向として、同じものを買った人の意見を信じるという特徴があるという。

 この状況は、情報面で企業側が劣位に陥る時代が到来する兆候という。これまで、情報の深さも幅も企業側が勝っていたが、今はそれが、同じかむしろ顧客の方が広く深いこともある。

 「営業部隊や商品開発部隊が不良資産化している。恐ろしい時代になっている」(三谷氏)

キーワードは組織改革

 2つの例に共通点があるとすれば、「ビジネス視点のIT化」のキーワードが、組織改革にあるという結論だ。

 全社レベル、企業間レベルの情報システムを構築したい、あるいは、顧客との間にあった情報格差というメリットが消失したことによる既存組織の機能不全という状況を打開するためには、組織改革により、従業員の役割分担を見直した上で、それをシステム化していくというアプローチが重要になってくる。

 その際、テクノロジーが何を可能にするのかは、当然認識しておく必要がある。

 そこで、日立がこの日に強調したのが、同社の「Harmonious Computing」だ。これは、仮想化技術などをベースとしており、サーバ管理の自動化やポリシーベースの自動運転といった技術を利用することで、システム運用にかかるコスト全体を抑え、TCOを削減していこうというもの。

 概要で言えば、IBMのオートノミック・コンピューティングやHewlett-PackardのAdaptive Infrastructure、日本ではNECのVALMOと同じコンセプトだ。

 システム管理にかかるコスト全体をテクノロジーで補完し、スリム化することで、浮いた人的リソースやコストを最大限に生かす組織戦略をいかに打っていくかに、今後の企業の成功の第一歩がある。

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[怒賀新也,ITmedia]

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