特集
2004/01/20 18:00:00 更新


特集:第3回 サンプルで学ぶCosminexusによる業務指向スタイル開発の流れ (1/7)

Webアプリケーション開発は、各開発ソフトを使い具体的にどのように進ませるのだろうか。日立のソリューション「Cosminexus」を例に挙げ、その開発工程を学んでみよう。開発の流れが見えてくるはずだ。

 Java特集「Cosminexusで始める業務指向スタイル開発」の第1回目「Webアプリケーション開発、運用プラットフォームCosminexusを知る」では、Cosminexusの製品概要について紹介しました。第2回目「Cosminexus Developerのインストールと基本操作を知る」では、インストールを通してコンポーネント構成と、基本操作についての解説です。

 そして連載最終となる今回は、実際にCosminexusが提供する開発ツールを使い、業務指向スタイルによる簡単なWebアプリケーション開発の手順を紹介します。サンプルアプリケーションとしては、電話帳を取り上げて作り込んでいく課程を具体的に解説していきましょう。

 ここで表現する「業務指向スタイル開発」とは、業務の流れに着目し、その具現化をするためのユーザーインタフェース(画面遷移とWebページレイアウト)設計や、そのアプローチを行うためのスタイルのことです。「Cosminexus」(日立製作所)を入手して第2回目で紹介した環境を準備すれば、これから解説するWebアプリケーションの開発を実際に体験することが可能です。今回の記事では次の課程で解説していきます。

1. Cosminexusの開発ツールの役割
2. 取り上げるサンプルWebアプリケーション内容
3. 業務処理プログラム作成その1――Employee、Directoryクラスの作成――
4. 業務処理プログラムの動作確認
5. 画面遷移図の作成
6. Webページレイアウト
7. 画面遷移のシミュレーション
8. 画面連携BeanとJSPファイルの生成
9. 画面遷移制御プログラムの生成
10. 業務処理プログラム作成その2――画面連携Beanを使う――
11. Webアプリケーションのプロパティ設定
12. web.xmlの作成
13. Webアプリケーションの動作確認

※ 上記、5、7、9は「Application Designer」、6、8は「Page Designer」による開発作業です。

Cosminexusの開発ツールの役割

 第1回目でも紹介したように、Cosminexusによる業務指向スタイル開発では「MVCアーキテクチャ」に基づき、「Model」、「View」、「Controller」という3つの概念に対し、次のツールを使い分けて開発をしていきます。このため、デザイナーとプログラマの作業分担が明確に行えることが特徴です。概要については、第1回目で紹介しているので参考にしてください

  • 「Borland JBuilder」(以下、JBuilder)

 「Model」(業務処理)にあたる部分をコーディングするときに、生産性を向上させる統合環境を提供します(第2回、解説参考個所)。

  • 「Cosminexus Application Designer」(以下、Application Designer)

 「Controller」(ModelとViewの制御−Servlet)にあたる部分を作成します。GUIにより画面遷移図を作成し、画面遷移制御プログラム(サーブレット)を自動生成するため、Java言語の知識がない人でも開発可能です(第2回、解説参考個所)。

  • 「Cosminexus Page Designer」(以下、Page Designer)

 「View」(画面表示−JSP)にあたる部分を作成します。テキストボックスなどのオブジェクト配置によるWebページデザイン、各オブジェクトとJava変数を関連づけるインタフェース定義を行うことで、JSPおよび画面連携Beanを自動生成します(第2回、解説参考個所)。

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