レビュー
2004/04/01 00:00 更新


盤石なネットワークを実現するbit-driveの新サービス

 ブロードバンドインターネットを安価に利用できるようになってきたことで、企業は拠点間通信を専用線からインターネットに切り替えようとしている。そのためには、セキュアに情報を伝送できるネットワークが必要だ。それにこたえるインターネットVPNとして、ソニーが「bit-drive」で統合的なソリューションを提案している。

 ブロードバンドインターネットを安価に利用できるようになってきたことで、企業は拠点間通信を専用線からインターネットに切り替えようとしている。そのためには、セキュアに情報を伝送できるネットワークが必要だ。それにこたえるインターネットVPNとして、ソニーが「bit-drive」で統合的なソリューションを提案している。

「安い」だけではいけない

 ADSLや光ファイバーに代表されるブロードバンド回線が、低価格化をテコに、一般にも広く普及している。この流れはコストを重視する企業にとっても、通信コストの大幅削減という大きなメリットを与えてくれそうだ。

 しかし、セキュリティへの懸念は常につきまとう。例えば、従来専用線やフレームリレーを用いてきた拠点間通信をそのままインターネットに置き換えるわけにはいかない。重要な情報を電子化して、インターネット回線にそのまま流してしまえば、いつ情報が漏洩するとも限らないからだ。

 そこで、インターネットVPNが従来型の拠点間イントラネットの置き換え対象として注目を集めている。VPNは「バーチャル・プライベート・ネットワーク」の略。通信にインターネット回線を使いながらも、情報が流れる道を外部から遮断し、専用線と同じレベルのセキュリティを保つことができる。

 コストパフォーマンスに優れることが、インターネットVPN最大の長所だ。さらに最近になって、情報システム部門の作業負担を軽減するために、ネットワークインフラの保守運用をアウトソースしたいというニーズも膨らんできた。これが、インターネットVPNサービス提供業者の業態を拡大することに結びついているようだ。

選択すべきサービスの基本要件

「インターネットVPN普及のための機能要件」

  • イントラネット網をVPNで安全に構築する技術(IPsecなど)
  • ブロードバンド回線をそのまま生かせる高スループット
  • バックアップ回線の冗長化などで高信頼性を確保
  • 同じく高信頼性を確保するための機器の二重化

 上に、「インターネットVPN普及のための機能要件」として、4つの大きなポイントをまとめた。これらの機能は最低限必要なものだ。導入に当たっては、さらに運用保守体制やコストについても細かく検討しなければならない。

 中でも、運用をアウトソースする場合は、「アウトソーサーがどのような体制で24時間365日の運用を手掛けてくれるのか」について、事前に合意しておくことが必要だ。これは、SLA(サービス・レベル・アグリーメント)と呼ばれるもので、ITガバナンスを完璧に実施するために必要なプロセスだ。

 さて、SLAに織り込みたい基準は各社さまざまだろうが、24時間365日のオンサイト保守は盛り込んでおいた方がいい。ITは、壊れたらメーカーの責任になる自動車市場ほど、成熟していない。予期せぬトラブルは頻出し、情報システム部門の運用ミスも起こりうる。その際に、サービス提供業者のプロフェッショナルが常にサポートしてくれることほどありがたいことはないのだ。

注目のサービスが始動

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 ソニーは4月1日より、新しいソリューションサービスを顧客企業に提供していく。これは「VPNソリューションパック」と呼ばれ、上記の機能要件をすべてクリアし、24時間365日のオンサイト保守に対応できるサービスでもある。

 具体的には、bit-driveのブロードバンド回線をバックボーンに提供する。この広帯域で経済的な回線と、VPN構築に不可欠な、IPsec対応VPNルータのレンタル/各種設定・保守サービスを組み合わせたトータルなVPNソリューションサービスだ。

 レンタルされるVPNルータは、定評あるヤマハ製。RTX1000、もしくはRTX2000を選択できる。メーカ側の公表値によると、3DES使用時の最大VPNスループット性能はRTX1000で55Mbps、RTX2000の場合は80Mbps。こういった数値を見れば、大容量データのやり取りにも十分に耐えられることは明らかだ。

 また、信頼性も高い。WAN回線の二重化はもちろん、VRRPによる機器冗長も可能だ。メイン回線に障害が発生したら、自動的にバックアップ回線へ切り替えてくれるほか、障害復旧時の自動的な切り戻しも実現。このため、基幹システムのトランザクションデータに代表される、機密性の高いデータのやり取りにも利用できるだろう。

 なお、製品購入ではなくレンタルにすることで、企業はルータへの投資コストを減価償却する必要がなくなる。IT予算計画を策定するときに悩まなくて済むという小さなメリットもあるかもしれない。

 価格は以下のとおり。RTX1000の場合、1カ月で1万円を切る価格設定だ。導入を検討する企業は、bit-driveインフォメーションセンターに問い合わせを。


  RTX1000 RTX2000
月額利用料 9,800円/台 42,800円/台
初期設定費
(オンサイト設置 平日9:00-17:00)
センター 118,000円/台 138,000円/台
拠点 98,000円/台
変更設定費
(対応時間 平日9:00-17:00)
リモート対応 20,000円/台 50,000円/台
オンサイト対応 98,000円/台 138,000円/台

関連リンク
▼ソニー ブロードバンド サービス bit-drive
セキュアアクセスサービス“CRYP(クリプ)”
勤怠管理サービス“Internet Time Recorder”

[ITmedia]

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