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2004/04/07 23:05 更新


SAS、BIを意思決定ツール「Business Analytics」への昇華を目指す

SASインスティテュートジャパンは 同社が3月31日に発表したビジネスインテリジェンス(BI)プラットフォームの最新製品「SAS 9」について説明するプレスブリーフィングを開催した。

 SASインスティテュートジャパンは4月7日、 同社が3月31日に発表したビジネスインテリジェンス(BI)プラットフォームの最新製品「SAS 9」について説明するプレスブリーフィングを開催した。

 同社は、企業が蓄積するデータからインテリジェンスを生み出すためのすべての段階をサポートする「Intelligence Value Chain(IVC)」を提唱、BIの個々の機能だけでなく、ETL(データ抽出/加工/ロード)、データウェアハウス、ビジネス・レポーティング、データマイニングによる分析、予測モデル機能まで、エンドツーエンドエンドの形で提供する戦略を打ち出している。

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桐井健之氏

 同社の戦略について説明した同社執行役員、営業本部BIプラットフォーム&EPM営業開発部の統括部長を務める桐井健之氏は、「SASはBIの先に“Business Analytics”(BA)を見ている。OLAPは企業の業務上の意思決定自体は行わないが、ユーザー企業はそれを求めるようになってきている。」と話す。

 BIプラットフォームから意思決定支援ツールとしての機能まで、一体で提供できることにより、需要予測、リスクマネジメントなど、コスト削減に留まらない機能を提供するという。

 SAS 9にこの3年以上の間、数千人のエンジニアを投入、2000億円に上る投資を行ったという同社。ビジネスインテリジェンスプラットフォームとしての機能だけでなく、SAS 9の特徴について、桐井氏は、「大量データ、多数のユーザーがいる環境でストレスなく活用できるBIであることが強み」と繰り返した。

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SAS 9の画面。クエリーなど、ユーザーが使いやすい形でデータを活用できる。

 GUIの改善による操作性、マルチスレッド対応によるスケーラビリティ、共通メタデータを基盤にする運用管理性の高さ、標準技術のサポートによって高まるERPやバックエンド、フロントエンドシステムとの相互運用性などが、具体的な性能の特徴として紹介されている。

 また、SAS Intelligence Platformとして、パッケージ・ソフトウェア群が提供される。「SAS ETL server」は、企業全体にインテリジェンスを拡大する上で必須となるETLプロセスを簡易化、高速化するデータ統合プラットフォームソフトウェアのパッケージ。「SAS Intelligence Storage」は、数十テラバイト以上となるデータウェアハウスから、単純なレポーティングやOLAP、高度な予測やデータマイニングまで、あらゆるアプリケーションが利用するリレーショナル/OLAP/並列ストレージを構築するためのソフトウェア。

 SAS BI serverは、さまざまなレポーティングと分析機能を提供するパッケージとなっている。

 今後提供する予定のソリューション群として、「SAS Marketing Automation」「SAS Strategic Performance Management」「SAS Supplier Relationship Management」「SAS Activity-Based Management」「SAS Financial Management Solutions」「SAS IT Management Solutions」「SAS Risk Dimensions」の7製品の提供を計画している。

 SAS 9.1 日本語版は、3月31日に既に限定出荷が開始。稼働環境は、Windowsは32bit版がNT 4.0、2000、XP、2003、64bit版はWindow XP、Windows 2003 Server、UNIX版はAIX、Solaris、HP-UX、HP-IPF、Tru64、Linuxは32bit版としてサポートされる。

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[怒賀新也,ITmedia]

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