特集
2004/05/27 07:38 更新


特集:全1回 サンのオープンソースJava統合開発環境「NetBeans」入門 (5/9)


struts-blank.warから作る

 Strutsアプリケーションを構築する方法は幾つかあるが、もっとも手軽なのはStrutsに付属するstruts-blank.warを適当なディレクトリに解凍し、NetBeansから編集する方法だ。

 struts-blank.warを適当なディレクトリに解凍し、NetBeansからマウントすると、画面17のように利用しているクラスライブラリが判断され、ファイルシステムとしてマウントされる。この時、自動的にStrutsのライブラリが識別され、インスペクタによる補完も有効となる。

fig17.gif

画面17■struts-blank.warを展開したディレクトリをマウントしたところ


JSPページを編集する

 次にJSPページを編集していく。まずは、Welcome.jspを編集し、入力フォーム付きのものにしてみる。ここでは、Welcome.jspを次の内容にする。


<%@page contentType="text/html"%>
<%@page pageEncoding="UTF-8"%>
<%@taglib uri="/tags/struts-html" prefix="html"%>
<html>
<head><title>JSP Page</title></head>
<body>
<html:form action="/Result">
お名前:<html:text name="SampleForm" property="username" size="40"/><br>
<html:submit value="送信"/>
</html:form>
</body>
</html>

 JSPファイルの編集画面は、画面18のようにタグを中心とした記述内容だ。そうとはいえ、コードの編集と同様に、タグに対してインスペクタによる補完機能は働く。開始タグと閉じタグをハイライト表示する、「</」と入力すると、対応する開始タグが自動的に補完される、などの機能が備えられているので、一般的なテキストエディタよりも編集しやすいだろう。

fig18.gif

画面18■JSPファイルの編集画面


 同様にして、もうひとつResult.jspというファイルをpageディレクトリ下に作っておくことにする。NetBeansで新しいファイルを作るには、作成したいディレクトリを右クリックし、「新規」→「すべてのテンプレート」を選べばよい。

 すると、新規ウィザードが起動するので、「JSP&サーブレット」下にある「JSP」を選択する(画面19)。

fig19a.gif

画面19■JSPファイルの新規作成


fig19b.gif

画面19b■JSPファイルの新規作成2


 Result.jspファイルの内容は、次の内容とする。


<%@page contentType="text/html"%>
<%@page pageEncoding="UTF-8"%>
<%@taglib uri="/tags/struts-bean" prefix="bean" %>
<html>
<head><title>JSP Page</title></head>
<body>
<p>
入力された名前は、<bean:write name="SampleForm" property="username"/>です。
</p>
</body>
</html>

Form Beanを作る

 続いて、フォームに入力された内容を保持する「Form Bean」(Action Form)を作る。内容は、次のようなSampleForm.javaとする。


package sample;
import org.apache.struts.action.ActionForm;
public class SampleForm extends ActionForm
{
    private String username;
    public java.lang.String getUsername() {
        return username;
    }
    public void setUsername(java.lang.String username) {
        this.username = username;
    }
}

 NetBeansでは、Strutsアプリケーションのクラスだからといって、特別なサポートがない。そこで、「WEB-INF\src\java」ディレクトリ下には、新規に空のJavaクラスを追加して記述していく。

 NetBeansでは、Javaのソースファイルをどこに配置することもできるが、struts-blank.warに含まれているAntのビルドファイル(build.xml)では、「WEB-INF\src\java」ディレクトリ下をビルドする設定になっている。このため、ソースファイルは、「WEB-INF\src\java」ディレクトリ下に置くとビルドの際の修正点を少なくできる。

 なお、NetBeansでは、新しくJavaクラスを作成する際に、「Javaクラス」と「空のJavaファイル」の2つの選択肢がある(画面20)。前者は、ディレクトリ構造をパッケージ名として、パッケージ名付きで雛形のあるJavaのソースファイルを作成するもの。後者は、空のJavaのソースファイルを作成するものだ。

 「WEB-INF\src\java」下に作成する場合、「Javaクラス」として作成すると、WEB-INF.src.javaパッケージとなるが、Javaの規約では「-」をパッケージ名として使えないためエラーとなる。

 よって、WEB-INFの下に作成したいのであれば、「空のJavaファイル」として作成する必要がある。もちろん、WEB-INF以外のディレクトリに新しいパッケージを作成し、その下にJavaのソースファイルを置くのが正当な方法だが、その場合には、Antのビルドファイル、build.xmlの設定変更が必要となる。

fig20.gif

画面20■空のJavaファイルの新規作成


 NetBeansでは、何かフィールドがあるとき、フィールドを右クリックして「ツール」メニューから「フィールド用に読み取り/書き込みプロパティを作成」を選択すると、getter/setterを自動生成する機能がある。開発時には、この機能を使うと、手早くプロパティを実装できる(画面21)。

fig21a.gif

画面21■プロパティの自動作成


fig21b.gif

画面21b■プロパティの自動作成2


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