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2004/05/28 17:24 更新


BEA、Beehive発表で「NetBeans」「Eclipse」参加検討も

オープンソースプロジェクト「Beehive」を立ち上げたことで、BEAは「NetBeans」「Eclipse」に参加しない方針を見直す可能性がある。(IDG)

 BEA Systemsは、ランタイムフレームワーク「WebLogic Workshop」を「Project Beehive」を通してオープンソース形式で提供すると決定したことで、オープンソースツールプログラム「NetBeans」「Eclipse」に参加しないという今のスタンスを見直すことになるかもしれない。同社のデベロッパーマーケティング副社長コーニーリアス・ウィリス氏が語った。

 もしも3つのプロジェクトに参加した結果、Beehive Controlの開発が増えるのなら、BEAは参加を検討するだろうとウィリス氏は5月25日、BEA eWorld 2004での取材で語った。Controlは、Workshopのランタイム環境に組み込めるコンポーネント。

 「Beehiveはわれわれのビジネスに関わる多くのことを変える」とウィリス氏。しかし同氏は、顧客がこれまでBEAに対し、IBMが立ち上げたEclipseと、Sun Microsystems主導のNetBeansへの参加を求めてこなかったことを認めている。

 BEAはこの日、Project BeehiveがオープンソースプロジェクトとしてApacheコミュニティーに受け入れられたことを発表した。

 またeWorldに参加したBEA関係者は、同社の「Project QuickSilver」はJ2EE市場以外にも同社のリーチを拡大するチャンスを与えると話した。QuickSilverは「Enterprise Service Bus」(ESB)とWebサービス管理ツールを組み合わせたものとされている。

 BEA WebLogic Integration Groupの副社長兼ジェネラルマネジャー、チェット・カプール氏は、QuickSilverの多目的機能を強調する。この技術は、異種混在環境においてメッセージのルーティング・管理、メッセージトランザクション処理、Webサービス管理を提供することを目的としている。アプリケーションプロセスの動的な変化もQuickSilverに盛り込まれる予定だ。

 QuickSilverは「当社がJ2EE市場以外に手を伸ばすチャンスとなる」と同氏は語り、「それこそがQuickSilverだ」と言い添えた。

 BEAが売上を伸ばすには、非J2EE環境にまで手を広げることが必要になると、Forrester Researchの調査担当副社長でアナリストのジョン・ライマー氏は指摘する。「同社はJ2EE企業だったが、そこから拡大しようとしている。そうしなければならないのだ。同社は売上高10億ドルにとどまっている」

 BEAは製品に投資できるよう、ライセンス収入を増やす必要があるとライマー氏。同社は最近、四半期のライセンス収入が前年同期から2%減少して1億2020万ドルになったと報告した。ただし総売上高は前年同期比11%増の2億6260万ドルだった。

 カプール氏は同社の売上状況を認めている。「当社の売上高は10億ドル台だ。この2〜3年は皆にとって厳しい時期だった。当社だけではなく、どの企業にとってもだ。だが、当社はかなりうまくやってきた」と同氏。

 同氏はQuickSilverが製品として出荷される時期についてはコメントしなかったが、エンタープライズエディションとプロフェッショナルエディションをリリースするなど、複数の形態でパッケージ化される可能性を認めている。BEAの製品マーケティングディレクター、エリック・スタール氏は、QuickSilver技術は次のWebLogic Platform 9または10に含まれるだろうと話している。スタール氏によると、同社は年内にバージョン9.0の詳細を公表するという。

 またeWorldで、カプール氏はJava向けオープンソースアプリケーションサーバ「JBoss」が、BEAのアプリケーションサーバ「WebLogic Server」に対抗する勢力になるとの見方を一蹴した。Javaアプリケーションサーバがコモディティ化することはないと思うとも同氏は語った。

 「顧客はミッションクリティカルな環境ではJBossを使っていない」とカプール氏は語り、顧客は商用アプリケーションサーバベンダーの提供するメンテナンスと品質保証を望んでいるのだと主張した。