「Javaオープンソース化の方針決定」報道、Sun幹部は否定

Java作者のジェームズ・ゴスリング氏は、Javaのオープンソース化についてSunがまだ方針を固めていないことを確認、電子メールで「何と報道されようと、まだけんけんごうごうの論議が続いている」と説明した。(IDG)

» 2004年06月05日 09時21分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Sun MicrosystemsがJavaオープンソース化の方針を固めたと一部で報じられていることについて、同社幹部は6月4日、Javaをオープンソースライセンスの下で公開するかどうかはまだ未定だと語った。

 あるオンラインメディアは3日、Sunエンジニアの発言として、Javaのオープンソース化は実現する予定だと報じた。この発言は、Javaのコードを非オープンソースのライセンスでリリースするという従来方針の転換に当たるものとして受け止められた。

 しかし同社広報は3日、そうした見方を否定、「まだ方針は固まっていない。こうした決定はかなりの上層部でなければ下せない」と語った。

 SunはJavaをオープンソースライセンスの下で公開することを拒み、オープンソース開発者からの批判を浴びている。オープンソースのJavaライセンスに移行すれば、互いに互換性のない複数のバージョンに枝分かれしてしまうかもしれないとの懸念も過去に口にしていた。

 Java作者のジェームズ・ゴスリング氏は4月、ブログの中で次のように記している。「Javaのオープンソース化について私が耳にしたコメントは、ほとんどが不安の声だった。Javaの真価はクロスプラットフォームの互換性と信頼性にあると開発者は考えている。もしJavaがオープンソース化されれば、誰かが互換性のないバージョンのJavaを作ってコミュニティープロセスを無視し、このコミュニティーを分裂させようとするのではないかと懸念している」

 ゴスリング氏は4日、Javaのオープンソース化についてSunがまだ方針を固めていないことを確認、電子メールで「何と報道されようと、まだけんけんごうごうの論議が続いている」と説明した。

 Sunは2日、Solarisをオープンソースライセンスの下で公開する計画を明らかにしている(6月3日の記事参照)。

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