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» 2004年06月11日 16時40分 公開

dev Java:特集:全1回 Javaアプリ開発でなぜLinuxを使わないのか (7/8)

[大澤文孝,ITmedia]

非公式ながらFedora Core 2でJBuilder Xを使ってみると

 今回は、オープンソースの代表としてEclipseにて解説したが、商用の統合開発環境でもLinux版が用意されている。たとえば、ボーランドのJBuilder Xは、Linux上で実行可能な統合開発環境のひとつだ。

 そこでJBuilder XをFedora Core 2にインストールしてみた。インストールはGUIベースであり容易だ。しかし、いざ起動という場面で「libstdc++-libc6.2-2.so.3が存在しない」というエラーが表示され起動できなかった。これは、JBuilder XがFedora Core 2に正式に対応していないためやむを得ないところだ。

 そこでlibstdc++libc6.2-2.so.3を含むライブラリであるlibstdc++-2.96-98.i386.rpmをインストールしたところ、JBuilder Xは正しく起動し、コンパイルやビルドなども問題なく行えた。ただし、JBuilder Xに付属のサンプルの文字コードはシフトJISであるため、Linux上でサンプルを開くと、画像Aのように文字化けする。これは、nkfなどのコマンドを使い、事前にEUCコードに変換しておけば問題はない。

画像A■Fedora Core 2上のJBuilder X

 商用Javaアプリケーション統合開発環境のベンダーは、ボーランドだけでなくIBMやBEAなど、Linux版も用意しているところが多い。しかし、あまりLinux版の存在を前面に押し出していないのも事実だ。この統計こそが、現在はまだLinuxをデスクトップ環境として利用しているユーザーが少ないという現実と結びつく。また、それだけでもなく、Linuxディストリビューションに固有な依存関係問題から、各社が公式に動作保証しづらいという点もあるわけだ。

 たとえば、ここでの例はlibstdc++-libc6.2-2.so.3が足りないという症状だったわけだが、同様にほかのディストリビューションでも問題が起こる可能性がある。またユーザーによっては、どのようなライブラリをインストールしているかが想定しづらく、ライブラリやパッケージのインストール状況によっては、複雑な動作環境に変化している可能性もある。

 ちなみにJBuilder Xが正式に対応しているディストリビューションは、Red Hat Linux 7.3、またはRed Hat Enterprise Linux 2.1上で、標準のGNOMEまたはKDEデスクトップマネージャのパッケージにて動作している場合のみだ。Javaアプリケーション開発環境の実現を前提とすれば、インストール直後の状態を前提とすればよいだろう。

サーバ環境設定まで含めるならばLinux開発環境が有利か?

 ここまで説明してきたように、J2SE SDKはもちろん、Eclipseなどの統合開発環境を使った場合でも、LinuxとWindowsとの動作の違いはない。よって、開発者は好きなほうを選べばよいといえるだろう。

 現状、開発者のほとんどがWindowsで開発している理由には、「これまでの慣れと使いやすさ」という点でしかないはずだ。

 Linuxは、X Window Systemというウィンドウシステムがあるものの、未だにコマンドラインをベースとした個所があり、Linuxのシェルやコマンドを習得していなければ、いざという時に困ってしまうだろう。開発者の仕事はソースコードを書くことであり、開発環境の整備には、時間を要したくないというのも正直なところなはずだ。そこでより簡単に導入できるWindowsでの開発環境が選ばれるわけだ。

 もちろん、Linux上での開発経験がある開発者はこの限りではない。たとえば、Linux上でCやC++などをemacsなどのエディタで記述していたユーザーは、Javaアプリケーション開発もLinux上で行うことに何ら問題がないだろう。

 Javaは、OSの依存なく動作するのが特徴であり、開発者は開発OSの制約を受けない。よって好みのOSで使いやすい開発環境を使って開発していくというのが自然な流れだ。ただし実環境をLinuxとするならば、サーバの設定ファイルなどの関係で、Windows環境だけで開発を終えるのは少し心配であり、実稼働前に、Linux環境を用意したい場面があるのも事実だ。実際、開発者の中には、VMWareなどの仮想環境ソフトを使い、Windows上にLinux環境を用意して、ある程度完成したところで動作テストをしていると聞く。


開発者がLinux環境を別途用意する理由としては、Webアプリケーションがデータベースと組み合わせて実行されることが多いという点も挙げられる。

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