Cisco、Procketの資産買収か

米Cisco Systemsは新興ルータ企業のProcket Networksから、特定の資産と知的財産を買収しようとしているという。CiscoはProcketの当初の出資企業。設立5年のProcketは、シリコン設計とモジュール型ソフト技術を自社の誇りとしている。(IDG)

» 2004年06月11日 08時41分 公開
[IDG Japan]
IDG

 情報筋によると、米Cisco Systemsは新興ルータ企業のProcket Networksから、特定の資産と知的財産を、およそ8000万ドルで買収しようとしている。

 CiscoはProcketの当初の出資企業。設立5年のProcketは、シリコン設計とモジュール型ソフト技術を自社の誇りとしている。Procketは1年前に2種類のキャリアクラスルータを発表し、その技術を、ライセンス契約を通じてブレードサーバやローエンドルータなど、ほかのプラットフォームにも移植する計画を立てていた。

 Dell'Oro Groupの調べによると、2004年1〜3月期の10Gbpsコアルータ市場におけるProcketのシェアは2%で、売り上げ金額500万ドル。

 Procketは1999年の創設以来、3億ドル近くの出資を集めている。

 Ciscoは、Procketの技術を使って7200シリーズからCRS-1コアルータに至る、エッジ、ミッドレンジ、ハイエンドのルータプラットフォーム全体を刷新する考えで、6月14日にも発表があるかもしれないと情報筋は伝えている。

 Ciscoは、「噂や観測」にはコメントできないとしている。

 もしCiscoがProcketの資産を買収した場合、Ciscoが先日、CRS-1とともに発表したばかりのプログラマブルプロセッサ/モジュラーソフト技術は、いつまで存続するのかという疑問が持ち上がるだろう。5月25日のCRS-1発表の際、Ciscoは、CRS-1開発のための4年がかりの5億ドルの投資をもって、買収によって技術を取得する会社ではなく自ら技術革新を生み出す会社としての、Ciscoの新時代幕開けをうたっていた。

 しかし情報筋は、Ciscoがこの買収に向かう理論的根拠として、シリコンとソフトの新技術によって約3000万ドルの資金を集めた会社を8000万ドルで買収するのも、なかなかに捨てがたい選択肢なのだと推測している。

 Procketからのコメントは得られていない。

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