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» 2004年06月18日 20時31分 UPDATE

Interview:SAPのComposite Application、小さなピース「Webサービス」に業務を載せアプリで結合

SAP AG NetWeaverマーケティングのバイスプレジデント、オリ・インバー氏に、NetWeaverを中心にした同社のソフトウェア戦略について話を聞いた。

[聞き手:怒賀新也、木田佳克,ITmedia]

 東京国際フォーラムでSAPジャパンの年次ユーザーカンファレンス「SAP SAPPHIRE '04」が行われている。同イベントに合わせて来日し、講演を行ったSAP AG NetWeaverマーケティングのバイスプレジデント、オリ・インバー氏に、NetWeaverを中心にした同社のソフトウェア戦略について話を聞いた。

 同氏は、2001年4月に、Enterprise Portal、Knowledge Management、Business Intelligenceなどの製品の責任者としてSAPに入社。現在は、SAP NetWeaverのマーケティングのバイスプレジデントとして、同製品のポジショニングおよびマーケティングの責任者を務めている。

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オリ・インバー氏。現在住んでいるニューヨークが大のお気に入りという。

ITmedia 日本で行われたSAPPHIREについてどう感じていますか?

インバー (1日3万人とも言われる)来場者の多さに驚き、顧客の関心の高さを知りました。ニューヨークに戻って、このエネルギーを伝えたいです。

ITmedia NetWeaverのアーキテクチャを採用することによって、ユーザー企業にはどのようなメリットがありますか?

インバー NetWeaverを導入することにより、ITとビジネスの間に整合性を持つことができます。さまざまなベンダーが打ち出しているSOA(Service Oriented Archtecture)、SAPはこれをESA(エンタープライズ・サービス・アーキテクチャ)と呼んでいますが、このコンセプトにより、企業は環境の変化に柔軟に対応するシステムを構築することができるのです。ESAを実現するのが、NetWeaverです。

 具体的には、例えば、業務プロセスに変化が起きた場合にも、かつてのようにコーディングをすることは少なくなります。変化に対しては、グラフィックな形でシステムをリモデリングすることで、アプリケーションを生成することができるのです。

ITmedia NetWeaverを利用したユーザー事例ではどんなものがありますか?

インバー ファイアウォールソフトウェアなどを提供するチェックポイントが挙げられます。同社は、ソフトウェア企業であるためか、NetWeaverをよく理解して導入しました。元々、SAPアプリケーションのユーザーでしたが、それを拡張して、NetWeaverを利用したシングルポイントアクセス環境を構築しました。営業担当者は、社外からでも、異種システムにまたがる情報に対して、シングルアクセスできるようになったのです。Nikeも現在導入中、Visaもユーザーです。

 VisaとSAPはジョイントソリューションを構築しています。これは、クレジットカードの決済履歴をSAPと連携させることで、企業内での経費の動きを透明化することができます。ユーザーは、従来は手作業で行っていた経費精算を自動化することができます。また、企業としては、取引金額の大きな取引先に対して、購入履歴を見せることで、割引を要求するなどのネゴシエーションも実施できると考えています。

ITmedia NetWeaverのコンセプトから考えると、SAPのこれまでの中心であったERPやSCM、CRMといったさまざまなアプリケーションを、導入企業は必ずしも購入する必要がないとも考えられます。将来的には、SAP製品にリプレースしてもらうことが狙いと考えていいでしょうか。

インバー 正しい指摘ではありますが、われわれはユーザーに、既存のアプリケーションのリプレースを急いでもらおうとは考えていません。われわれは、基盤としてNetWeaverを導入してもらい、その後は、ユーザー企業のペースで、システムのリプレースを進めてもらいたいと考えています。また、コンポジット・アプリケーションを構築して、新しいビジネスを展開してもらいたいとも考えています。

コンポジット・アプリケーションとは?

ITmedia SAPにとってのコンポジット・アプリケーションを説明するとどうなるでしょう?

インバー 従来のシステムは、異種システムがスパゲッティ状に絡まり、変化対応力に欠けていることが多かった。データベース上で業務とプログラムが密結合しているために、新たな業務要件に対応するためには、コードを書き直す必要があるからです。

 コンポジット・アプリケーションは、既存システムが構成する大きな機能の塊を、小さなピースに分解し、1つひとつのピースに業務要件を載せる形で、外部と連携できるようにしています。1つひとつがWebサービスになっているわけです。このピースを提供するのは、SAPに限らず、パートナーあるいはユーザー自身かもしれません。こうした多様なサービスをアプリケーションで集約し、新たな業務に対応したシステムを構築する手法が、コンポジット・アプリケーションです。

 コンポジット・アプリケーションを構成するのは、ユーザーインタフェース、プロセス、サービス、データアクセスの4つの要素。これを組み合わせることで、アプリケーションを再生成します。

 メリットは、ソースコードの変更が少なく、アプリケーションの品質を将来的にも維持できることです。そのため、Javaのエンジニアがいなくても、いわゆる業務系ユーザーが、システム変更に対応することも可能なのです。

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