コグノスが、ユーザー向けにBIの効果や導入方法などについて紹介するイベント「Cognos Performanceセミナー」を開催した
ビジネス・インテリジェンス(BI)最大手のコグノスが、ユーザー向けにBIの効果や導入方法などについて紹介するイベント「Cognos Performanceセミナー」を6月17日に都内のホテルで開催した。ガートナーが提唱するCPM(Corporate Performance Mangement)を実現するために同社が打ち出したコンセプト「エンタープライズBI(EBI)」による企業の経営や業務の革新について紹介された。
BIは、企業が蓄積するさまざまなデータを、各社員が自分のニーズに合わせて加工し、業務の遂行や意思決定に生かしていく活動のこと。データベースなどのデータソースからデータウェアハウス(DWH)を構築し、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを利用して、必要なデータを取り出す。
最初に講演を行ったガートナージャパンの栗原潔氏は、CRMユーザーにおける分析テクノロジー採用の効果(出典:企業ユーザーITデマンド調査報告書、ガートナージャパン)に関する調査結果をもとに結論を述べた。
「DWHによる分析系ツール(BI)を利用した方が明らかにビジネスが効果が出やすい」(同氏)
例えば、「顧客満足度」について、DWHによる分析系CRMを利用しない場合は29%の向上に留まるが、利用した場合は57%となり、倍という結果。「従業員の生産性向上」では同14%に対し同30%、注目するべきデータとして、「売り上げの向上」の項目では、同7%に対して、同20%とおよそ3倍の違いが出たという。
これは、BIが、戦略の立案から実行、業務処理などのトランザクション実施という業務サイクル全体において、それぞれの結果を次にフィードバックする形のクローズドループを形成していることによる。同氏はこれを「経営のフィードバックループ」と呼んでおり、強い企業は、正確性、全社的最適化、リアルタイム性の確保といった実行要件を維持しているという。
同氏は、「BIを導入する企業カルチャー」について、好ましくない項目を挙げた。主なものが下記で、当てはまる項目が多いほど、フィードバックループのカルチャーがうまく機能しないとしている。
ガートナーは、BIによる企業の業務プロセス改革について、CPM(Corprorate Performance Management)というメッセージを展開する。同社は、「企業のパフォーマンスを監視・管理するための手法、評価基準、プロセス、システムの総称」と定義する。2006年までに年商10億ドルを超える企業の70%が、従来型アプリケーションとBIツールの融合により、CPMを実装することになるという。
CPMにより、企業は、企業活動における複雑性、リアルタイム性、縦割り型パフォーマンス管理の問題点、経営の透明性への要請、リスク管理要件の厳密化、株主価値向上のための迅速で正確なディスクロージャーといった要求に対応できるとしている。
同氏は、BI初期のプロジェクトに成功した企業の次の一手として、データと連携を社外にも伸ばすサプライチェーンコラボレーション、分析のリアルタイム性向上を図るBAM(ビジネス・アクティビティ・モニタリング)への取り組み、ユーザー数をより拡大することによる情報民主主義の推進などを挙げている。
ガートナーは、BIベンダーに関する評価を行ったマジッククワドラントにおいて、コグノスを最上位評価の1つとして挙げている。
コグノスが展開するEBIは、CPMを実現するための同社のソリューション郡という位置づけだ。具体的には、分析系エンジンのPowerPlay(多次元分析・OLAP)、PowerNavi(MOLAP&ROLAP)、レポーティングのReportNet、モニタリングではMetrics Manager(業績評価やスコアカーディング)、NoticeCast(BAM、ユビキタスBI)などの製品群に分かれる。
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