さて、XML Webサービスを使う時には、「そのXML WebサービスがどのWebサーバにあるのか」が問題となる場面もある。いつも決まったXML Webサービスを使うのであればよいが、好きなXML Webサービスを組み合わせて使いたいとなれば、XML Webサービスを検索できると都合がよい。
XML Webサービスを検索できる仕組みが、「UDDI(Universal Description Discovery and Integration)」だ。
UDDIは、簡単に言えば検索エンジンのXML Webサービス版と思えばよい。UDDIに対して検索条件を入れると、その検索条件に合致したサービス一覧が得られる。UDDIの検索結果には、WSDLも含まれるため、WSDLを元にXML Webサービスを提供するWebサーバーに接続して呼び出し実行が可能だ(図4)。
UDDIサーバは、公的なものだけでなく、プライベートなUDDIサーバーを構築することもできる。たとえば、Windows Server 2003には、UDDIサーバ機能が搭載されている。
UDDIは、XML Webサービスを使うときに便利な仕組みではあるが、必須のものではない。なぜなら、XML Webサービスを使うためには、WSDLさえあればよいので、何らかの手段でWSDLを入手可能ならば、UDDIは必要ない。閉じた環境で、特定のクライアントだけが利用するような場面では、UDDIを使う必然性は、ほとんどない。
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ここまでの説明で、.NETは、XML Webサービスを中心としたデータ中心のソリューションであることが分かったはずだ。そのため、どのような開発言語で構築しても、目的を果たしているならば、.NET対応とうたえる。
しかしながら、Visual BasicやC++などの従来の開発環境を使って.NET対応アプリケーションを構築するとなると、その作業は相当大変なものになる。なぜならば、従来の開発環境では、XML Webサービスはもちろん、ネットワークへの対応部分ですら、開発者が自前で用意しなければならないためだ。
そこで、マイクロソフト社は、.NET対応アプリケーションを簡単に構築するためのフレームワーク(基盤)を開発者に提供している。これが、「.NET Framework」だ。
.NET Frameworkは、アプリケーションを構築するための基盤となるものであり、開発者が.NET対応アプリケーションを作りやすくするためのライブラリを有している。これが「クラスライブラリ」だ(図5)。
.NET Frameworkは、.NET対応アプリケーションを作るためのもののため、クラスライブラリとしては、特にXML Webサービス関連機能とデータ操作をするためのデータベースアクセス機能が充実しているのが特徴だ。
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