キャリアグレードVoIPを、ジュニパーがJ-Voice機能をアピール

アジア太平洋地域のコアルータ市場で1位のシェアとなったというジュニパー。日本のBBの普及が貢献した形で、キャリアグレードの音声/ビデオを可能にするJ-Voice機能をアピールした。

» 2004年07月27日 20時38分 公開
[ITmedia]

 IDCの最新調査で、日本を含むアジア太平洋地域のコアルータ市場で1位のシェアになったと発表するなど、コアルータ市場で気を吐くジュニパーネットワークス。

 同社のフィリップ・シーヴィー氏は、同社でVoIP担当のシニアプロダクトマネジャーを勤る。過去19年以上に渡って、米Telicaや加Nortel Networksなどで、通信事業者を担当してきた。そんな同氏はこう挨拶する。

 フィリップ・シーヴィー氏 VoIP担当シニアプロダクトマネジャー、フィリップ・シーヴィー氏

 「ジュニパーネットワークスのルータは、ほかのとは違う。真にミッションクリティカルに対応できる製品だ。インターネットフォワーディングを使っている一般的なものとは異なる。だから、ここにやってきたんだ」

 ジュニパーのルータ製品は、J-Voiceと呼ばれるキャリアグレードのVoIP機能を備えている。キャリアグレードとは99.999%の信頼性を意味している。この一連の機能などを担当しているのが、シーヴィー氏だ。同社ルータの「Tシリーズ」「Mシリーズ」「Eシリーズ」が現在、J-Voiceを搭載しているという。

 「インターネットサービスや無償の音声サービスを提供するなら、従来のベストエフォート型でも良かった。しかしQoSが保証されないし、輻輳が生じればユーザーが通話中でもネットワークが切断されてしまう。サービスプロバイダーも保証がないため、プレミアムの料金を取れない。とてもトール(電話)品質とはいえない」。ベストエフォート型では、遅延やジッタ、パケットロスが音声品質を損ねるからだ。

 VoIPがトール品質に至るために、J-Voice機能は、高可用性のジュニパーのルータを拡張する形で、IPリンク障害の検知から復旧までのプロセスをミリ秒に短縮し、LSP(パス)に問題があれば音声トラフィックをセカンダリLSPに自動リルートするステートフルLSPフェイルオーバーなどを可能にする。また、DiffServベースのMPLS TEによる帯域制御を行う。そのほか、SIP/H.323向けのアプリケーションレベルゲートウェイ(AGF)、フローモニタリング機能などの先進技術を搭載している、という。

 この日、ジュニパーネットワークスは2004年第1四半期において、アジア太平洋地域で46.8%の第1位のシェアを獲得したと発表した。日本市場での好調が反映された形だという。

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