7分で分かる7月のBlog界dev blog/CMS(2/2 ページ)

» 2004年08月03日 16時16分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 JUGEMは、ほかのBlogサービスと比べても使い勝手がよかったことから、JUGEMサービスが無くなっても「それ」っぽいBlog機能を使いたいという声が多く、その中で注目されたのが「sb」と「Blogn」(ぶろぐん)だ。これらのBlogツールは、JUGEMを意識しながらもクライアント上で軽く使いやすいツールを目指しており、現在も開発が進められている。「sb」は8月末にも正式版をリリースする予定だ。「Blogn」は、7月26日に報じたようにMac OSに対応したり、7月30日にはケータイ対応を行った(8月2日に既報)。これは、JUGEM騒動が残した、思いもよらない副産物といえるだろうか。

各社、デザインを中心とする機能拡張が相次いだ

 ほかのBlogサービスについても注目すべき事項が多い。

 「はてなダイアリー」では、7月2日に報じたように、より容易にデザイン変更を可能とする「かんたんデザイン設定機能」を追加した。しかし、プライベートモードでの不具合(7月5日既報)や、XSS脆弱性(7月7日既報)などのセキュリティ上の不具合対応にも追われた。

 楽天が提供する「楽天広場」も、7月30日に報じたように、8月3日にデザイン機能の大幅拡張を行うと発表。

 「goo BLOG」では、JUGEM騒動の最中にサーバ増強を行っている。JUGEMの様子を知っているユーザーからは、心配の声が寄せられていたが、goo側は「サーバの引越しはプログラムを別のサーバに移すのではなく、台車に乗せて実機をゴロゴロと運ぶ作業です」、などとわざわざ注意書きをした。プログラムの入れ換えではない、とユーザーへ安心感を与えることに苦労していたようだ。こちらは多少時間をオーバーしたものの、無事に増強作業が完了した。また、「goo BLOG」はPHSからの更新を可能にしたり(7月13日既報)、画像アップローダ機能追加(7月26日既報)を行っている。

 「エキサイトブログ」は、7月21日に報じたように、ベータ版をリニューアル、大幅な機能拡張を行った正式版サービスを開始している。

 遅れたのはNTTデータが提供する「Doblog」。7月15日に予定していた正式版サービス開始を延期した(7月13日既報)

 一方、「livedoor Blog」は、ランキングの計算方法を、意味のないコメントやトラックバックの影響を極力排除したものに変更している(7月20日既報)。もちろん負荷分散を目的としたものだろう。

 グローバルメディアオンライン(GMO)が提供する「ヤプログ」は、会員数が1万5千名を超えた。同時に、ケータイ投稿機能も搭載すると発表した(7月20日既報)。しかし、負荷分散が追いつかず、アクセス数増加によって導入日を延期している(7月28日既報)

 7月6日に報じたように、ティーカップ・コミュニケーションは、Blogサービス「AutoPage」を7月1日から開始、Blogサービスに初参入した。

 これら、Blogサービスの動向を見て分かるのは、より簡単に、初心者に分かりやすく、それでいてお仕着せではないBlogサービスを実現させようとしていることだ。また、無料のBlogサービスが乱立する中、いかに多くのユーザーを獲得している大手であっても、多くのユーザーを定着させようと必死だ。急増するユーザーにサービスが追いついていない、という点も垣間見られる。

ISPによるBlogサービスでは方向性の模索が

 また、ニフティの「ココログ」、AOLの「AOLダイアリー」、NEC(BIGLOBE)の「ウェブリブログ」、NTT(OCN)の「ブログ人」といったISP系のBlogサービスの仲間に、DIONが新たな会員向けサービス「LOVELOG」を発表した(7月28日既報)。当面はDION会員のみのサービスのようだ。いずれ、「ココログ」などのように、否会員にも有料でサービスを提供していくのかどうかは、今後の動向を見る必要がある。

 これら、プロバイダのBlogサービスに対する取り組みを見ていると、プロバイダ選択の検討項目のひとつに、今後は「Blogサービスの有無」が加わるのだろうか。

企業向けBlogへの可能性も

 法人向けBlogサービスという新たな分野でも、幾つかの動きがあった。

 まず、7月27日に報じた通り、バリュークリックジャパンは法人向けBlogソリューション「livedoor Blog ASP」と「livedoor Blog ENTERPRISE」を販売開始した。これはライブドアのBlogサービス「livedoor Blog」をベースにしたものであり、法人向けサービスで、企業の用途に合わせてカスタマイズして提供していくものだ。

 また、7月29日に報じた通り、「Movable Type」日本版を提供しているシックス・アパートが、Blogサービス「ビック東海」に「TypePad」を提供すると発表している。これら法人向けのBlogサービスがどのように進んでいくか、見守っていきたい。

依然としてMovable Typeのトピックが多い

 最後に主なBlogツールを振り返ってみると、Blogの定番ツール「Movable Type」に関わる動きが多い。まず、7月2日に報じた、米Six ApartによるDeveloper Edition 3.0用のプラグインコンテストを7月6日に締め切ったニュース。そして、7月9日に報じた通り、日本のシックス・アパートが3.0のベータ2公開。正式版が15日23時59分にすべり込み公開された(7月16日既報)。なお、米Six Apartは7月26日に一般向けのMovable Type 3.1概要も公開している(7月27日既報、製品リリースは8月31日を予定)。

 このほか、7月12日に報じたように、Blogツール「P_BLOG」は、安定ベータ版1.0b20を公開している。

 一方、Movable Typeに次ぐ人気ともいえるBlogツール「Nucleus CMS」は、7月14日に報じたようににセキュリティホールが発見され、すぐに日本語版対応された。その後、7月29日にも新たなセキュリティホールが見つかってしまったが、バグフィックスも施した3.1も日本語版公開を終えた。有志に感謝だろう。

 国産のBlogツールとしては、「a-Blog」のバージョン1.0b7が7月3日にリリースされている(7月5日既報)

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