「ID営業」をレポーティングツールで(1/2 ページ)

米Actuateでマーケティング担当バイスプレジデントを務めるノビー・アキハ氏に話を聞いた。

» 2004年08月10日 08時52分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 飲料メーカーや卸業者などが、「東京地区赤坂エリアのビールの出荷数がここ数日落ち込んでいます。」といった情報を全社的に把握するには、従来はそれなりの期間が必要だった。これは、分散したデータを集計し、リアルタイムに近いタイミングでまとめてレポートする仕組みを構築していなかったからだ。企業は、悪い情報をできるだけ早く知ることで、被害の拡大を未然に防ぐことができる。もちろん、市場のニーズにすばやく対応できるというポジティブなメリットもある。

 それをITを利用して実現しようとする活動が、ビジネスインテリジェンス(BI)だ。

 BI導入の効果に注目が集まってからしばらくが経つ。企業が蓄積するさまざまなデータを、データウェアハウス(DWH)とBIツールを使って、ビジネスに活用していくこの取り組みは、当初、企業のマーケティング部門の少数の担当者などが、経営戦略を立案するためのデータを、OLAP分析を交えて特別に生成するようなイメージもあった。

 だが、現在は、営業やマーケティング、研究開発まで、職種を問わず、基本的にすべての社員が、それぞれの業務にデータを活用しようとする動きが強まっている。この場合、データの分析を行うOLAP(On Line Analytical Processing)分析というよりは、一定の規則に従い、定期的にデータを参照するレポーティングツールが主役になってくる。

 実際に、BI大手のCognosも1年ほど前にレポーティングツールであるReportNetをリリースし、業績も好調。また、BusinessObjectsはCrystalDecisionsを、HyperionもBrioを買収し、レポーティング機能を強化しており、BIベンダー自身がレポーティングの重要性を認識している。

 その中で、1993年の設立以来、一環してレポーティングツールに特化して提供してきたベンダーがActuateだ。同社は、7月に米国で、最新版となるレポーティング製品「Actuate 8」をリリース、日本版の発表も予定している。同社でマーケティング担当バイスプレジデントを務めるノビー・アキハ氏に話を聞いた。

カリフォルニア出身で日系2世のアキハ氏。「Actuateはレポーティングで長年の経験がある点で優位性がある」と話している。

 アキハ氏は、「米国でBIはレポーティングに軸足を移そうとしている」と話す。日本でも既に、ユニクロを展開するファーストリテイリングや、全日空、IBM、NTTコムウェアなどの大手企業が導入、海外でもCiti Bank、Bank of Americaを含めた大手企業への導入が進んでいる。

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