日本HPとNTTファシリティーズ、サーバ設置環境のトータルソリューション業務で協業

電源や空調といったサーバ設置に関するファシリティについて、日本HPとNTTファシリティーズがワンストップのソリューションを8月27日より提供開始する。

[ITmedia]

　日本ヒューレット・パッカードとエヌ・ティ・ティ　ファシリティーズは、サーバシステムの導入と電源・空調システムなどのファシリティ環境を合わせたトータルソリューション事業で業務提携を行う。

　近年のIT機器は高性能化、高密度化が進んでおり、単位面積当たりにより多くのシステムを集積できるブレード型などの形態へ移行しつつある。それに伴って消費電力や発熱量も増大しており、例えば従来のラックマウント型と比較すると、約3倍に増加していることが分かる。

プロセッサパワーや集積率の向上に伴って、消費電力・発熱量は増加の一途をたどる。

　そこで浮上してきたのが、ファシリティの問題だ。電源や空調、耐震といった側面からの検討なしにこれらのサーバを導入すると、運用直前になって支障をきたしたり、運用後のリスクも大きくなる。

　こうしたITとファシリティの関係についての意識向上やニーズの高まりから、今回の二社の協業が発表された。

　記者発表会で日本HPの常務執行役員 石積尚幸氏は、「このところ急激に成長している中小規模企業に対しては、ファシリティについての適切なサポートが必要」と述べ、大企業と中小企業ではファシリティへの意識の違いがあることを指摘。

日本HP 常務執行役員 石積尚幸氏

またNTTファシリティーズ 常務取締役 池辺裕昭氏も、「ファシリティは体系的な信頼性の検討が重要」だとして、同社の「Critical Facility Solution：CriFS」というトータルソリューションを掲げた。

NTTファシリティーズ 常務取締役 池辺裕昭氏

これらのリスク管理を体系的に行っておく必要がある。

　この協業で、HPは自社製サーバやストレージをベースとしてサーバ統合のシステム構築、サービスを提供する。NTTファシリティーズはHP製サーバに対してDC POWER（直流電源システム）によるソリューションのほか、ファシリティ関連の潜在的なリスクを定量的に評価・検討して設備の提案から保守管理までのエンジニアリングサービスを提供する。

　さらに共同でマーケティングやプロモーション展開を行い、セミナーの開催やWebサイトの開設、パブリシティなどを通じてファシリティソリューションの提案・啓蒙を行っていく。また両社ともにファシリティ専任の技術者を配置し、直接の技術交流が可能な体制をとるという。顧客へは専用コールセンターを設置し、ファシリティへの総合的な相談窓口とする。開設は8月27日（金）より。専用電話番号は03-5304-6522（受付時間は9:00から19:00（月〜金）／10:00から18:00（土）となる）。