「新生」日本SSAグローバルの新戦略、パートナーとの関係再構築も

日本SSAグローバルは、米SSA GlobalによるBaanおよび米Exe Technologiesの買収後、「新生」日本SSAグローバルとして新たに日本人社長が就任、新たに戦略をアピールした。

» 2004年08月27日 17時04分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 ERPパッケージ提供の日本SSAグローバルは8月27日、都内のホテルで記者発表会を行い、米SSA GlobalによるBaanおよび米Exe Technologiesの買収後、「新生」日本SSAグローバルとして新たに日本人社長が就任、新たに戦略をアピールした。8月1日から始まった同社の2005年度から社長に就任したのは、前職でサン・マイクロシステムズ常務執行役員を務めていた細井洋一氏。製造業への注力を維持すると同時に、顧客への提案力、サービスレベルの均一化、幅広いサービスの提供に取り組む。

社長に就任した細井氏。慶應義塾大学法学部出身の50歳。「ユーザー会開設、メールの配信、Webの頻繁な更新など、さまざまな新たな取り組みを始めている。情報開示を意識している。」という。

 「SSA Globalの基本戦略は買収にある」と話す細井氏。2003年7月のBaan、12月のEXEだけでなく、今年の6月にはArzoon、7月にもMarcamを買収し、顧客に提供する製品やサービスの充実を図ってきた。今後も、買収戦略を継続しながら、大幅な組織変更にも機能を失わない企業基盤を社内インフラとして構築してくとしている。

 また、「新生」企業として、日本SSAグローバルのブランド確立を最重要課題と位置づける。さらに、直販を強化するとともに、システムインテグレータなどのパートナー企業を経由した販売チャネルの再構築も図る。

 通信業界で14年、その後サンに移ったが、エンタープライズ向けのアプリケーションを扱うのは初めてという細井氏。「ハードウェアと違い、ソフトウェアは、販売後もサービスやコンサルティングで顧客と付き合えるところに魅力を感じた」と話す。半年に一度はプレスブリーフィングを行い、「まな板の鯉状態で」、実際の成果を判断してもらいたいと意気込みを見せている。

 製品戦略としては、「SSA Baan ERP」(次バージョンではSSA ERP LN)、「SSA BPCS 」(次バージョンではSSA ERP LX)、「SSA Warehouse Management」が主力。買収した複数の企業の製品を統合し、進化させるという。ターゲット市場は、自動車、電気電子、機械、消費財、食品、医薬品、3PLをはじめとした製造業が中心になるとしている。

 なお、これまで社長を務めていたリチャード・ライアン氏は、アジア太平洋地域担当に移る。

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