「CMSを入れても効果が出ない!」――ステレントの山下氏が原因を解明(1/3 ページ)

「Content Management Forum 2004」2日目、日本ステレントでビジネスディベロップメントマネジャーを務める山下進一氏は、「ビジネスのさまざまなニーズにあったソリューションを提供できる 真の実践型コンテンツ管理」と題した講演を行った。

» 2004年09月01日 19時49分 公開
[岩崎史絵,ITmedia]

 東京コンファレンスセンター・品川で開催中の「Content Management Forum 2004」2日目、日本ステレントでビジネスディベロップメントマネジャーを務める山下進一氏は、「ビジネスのさまざまなニーズにあったソリューションを提供できる 真の実践型コンテンツ管理」と題した講演を行い、コンテンツマネジメントシステム(CMS)に求められる機能と、企業にもたらすメリットについて説明した。

日本ステレントの山下氏。GUIイメージのまま編集できる点は、「使いやすさ」における同社のCMSの強みになっている。

 本イベント初日では、米ステレント バイス・プレジデントのデイビッド・メイシー氏がコンプライアンスという観点からコンテンツマネジメントの重要性を指摘している(8月31日の記事参照)。これを受け、山下氏は「コンテンツマネジメントを実践する際、どのようなことが問題になり、それをどう解決するかを明らかにしたい」と話した。

 講演では、CMSソリューションの適用範囲として「Webコンテンツ管理」(WCM)「ドキュメント管理」「動画や音声、映画、ゲームなどのデジタルアセット」「会計、経理、監査情報」の4つを紹介。この中から、特にWCMとドキュメント管理を例に挙げ、コンテンツの作成・管理の問題点と、現状のCMS製品が持つ問題点について明らかにした。

 山下氏によると、いまCMSに必要なのは「迅速化」だという。例えばCMSを導入しても、即コンテンツ管理が効率化できるわけではない。例えば、Webサイトの編集・管理についても、テンプレートを作成したり、迅速に配信する仕組みを構築するには期間もコストもかかる。「こうした問題を解決するのが、ステレントのCMS製品だ」(山下氏)という。

Webコンテンツの作成・管理がうまくいかない理由

 そもそもCMSとは、社内のあらゆる情報を効率的に管理するソリューションのこと。これらの元となるデータやコンテンツは、各部門やスタッフからそれぞれ上がってくるため、1つのコンテンツや書類を作る際に非常に時間がかかる。例えば、WebのHTML1ページでも、テンプレートを作る人、中身の文章を書く人、管理する人と分かれており、コラボレーションしながら進めていく作業が一般的だ。

 Webコンテンツの編集については、何よりも編集作業を効率化するために「HTMLを作りやすくしたい」というニーズがある。また、中身の文章やデータを作るスタッフにとっては、自分の作ったコンテンツが自動的にHTML化され、配信されることを望んでいる。ビジネススピードの迅速化に伴い、新しいコンテンツをタイムリーに配信する必要性が高まったためだ。

 こうした課題を解決するためにCMSがあるわけだが、山下氏は「これだけを考えてCMS製品を導入すると失敗する。」と警告する。なぜなら、テンプレートを作成するのに時間もコストもかかる上に、コンテンツの配信を迅速化する仕組みを構築するのにも時間がかかるからだ。そのため、CMS導入時に期待したWebコンテンツ作成の効率化やコスト削減などの効果は見込めない。

 現在、ほとんどのCMS製品がページのレイアウトやデザイン機能や配信機能を持っているが、「やはり実際のWebサイトとして更新されるまでに時間がかかるケースが多い。」と同氏。

GUIのイメージのままできるWeb編集

 そこでステレントでは、Webコンテンツの作成・編集・管理・配信を迅速化する「Site Studio」という仕組みを提供。特徴的なのは、文章などのコンテンツ作成者が実際にWebサーバ内のファイルに書き込み、作成するとすぐ、実際のコンテンツとして公開できることだ。

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