Sun、BIアプリの連携強化に向けHyperionと提携

Sunは、Solarisプラットフォームとビジネスインテリジェンスアプリケーションとの連携強化に向け、Hyperionと提携を結んだ。

» 2004年09月06日 17時48分 公開
[IDG Japan]
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 Sun MicrosystemsとHyperion Solutionsは、SunのSolarisプラットフォームとHyperionのビジネスインテリジェンス(BI)アプリケーションとの連携強化に向けて提携した。

 カリフォルニア州サニーベールに本社を置くHyperionで製品マーケティングと戦略を担当するディレクター、スリカント・ゴクルナーサ氏によると、同社の顧客の多くはSolarisを使っている。Sunとの提携は、Solaris上でのHyperion製品の動作を保証するのが目的。これにより、両社のプラットフォームを配備するユーザー企業は、連携に際して困難に直面することが少なくなり、両製品を自社のインフラに統合するのが楽になるという。

 「顧客企業がTCO(総合保有コスト)を削減する方法の1つは、検証済みのソリューションを選択することだ。そのほうが、成功する確率が遥かに高いからだ」とゴクルナーサ氏は話す。TCOが削減できるのは、システム統合にかかる費用がずっと少なくて済むからだという。

 Hyperionは「Hyperion Essbase」シリーズや「Hyperion Business Performance Management Suite」など、BI業界では解析/レポーティングと呼ばれる分野に属する製品を主に提供している。

 テキサス州ダラスに本社を置くHudson Advisorsでは、HyperionのEssbase、「Hyperion Reports」およびHyperionの「Planning」を3年前から利用している。同社が現在運用しているのは、Essbaseのバージョン7.1、Reportsのバージョン7.0.1およびPlanningバージョン3.51。

 HudsonのCIO(最高情報責任者)兼技術担当上級副社長のジャニス・ホーグ氏によると、同社がHyperionを選んだのは、Infosys Technologiesによる分析の結果、Hyperionの製品がHudsonのニーズに最も合っていることが分かったからだという。

 Hudsonでは、Hyperionの製品をSolaris上で運用している。Solarisプラットフォームの可用性の高さが理由だ、とホーグ氏は説明する。同社は、11月に「Solaris 10」がリリースされれば同OSにアップグレードする予定だ。また、SolarisプラットフォームとHyperion製品は、Hudsonのインフラに含まれるほかのコンポーネントともうまく連携するという。

 「Hyperionは当社の環境によく合っている。当社では、基幹業務システム用にはSolarisおよびSunの機器を使っているが、Hyperionの製品は当社の環境内のそのほかのシステムにも対応している」とホーグ氏は話す。同社では、Sunの製品以外にもHewlett-PackardのSAN(Storage Area Network)製品やMicrosoftのアプリケーションなどを利用している。

 BIベンダーのHyperionがHudsonの環境にマッチした理由の1つに、Hyperion製品がMicrosoftのExcelに連携していることがある。しかしホーグ氏によると、Hyperionの選択はリスクを伴う賭けだったという。当時、Hyperionの経営状況が芳しくなかったからだ。「しかし同社の業績は好転し、同社は既に危機を脱した」と同氏は付け加える。

 Hyperionは、Microsoft WindowsとRed HatのLinuxもサポートする。「しかし今回のSunとの連携強化に伴い、HyperionはSunのJava Enterprise System(JES)およびJava Desktop System(JDS)もサポートすることになる」と、カリフォルニア州メンロパークにあるSunでビジネスアプリケーション市場開発を担当するディレクターのマイケル・マクナーニー氏は話す。

 マクナーニー氏によると、SunはHyperionのほかにも、Informatica、IBM、Oracle、SybaseといったBIベンダーやデータベースベンダーと提携しているという。

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