Oracleは、9月6日に開幕した「OpenWorld London」で欧州におけるグリッドコンピューティング市場の発展状況について明らかにした。グリッド技術の普及段階を「Oracle Grid Index」として示すもので、同技術への意識を高めていくのが狙い。
Oracleは9月6日に開幕した「OpenWorld European」カンファレンスシリーズで、欧州におけるグリッドコンピューティング市場の発展状況について述べた後、初日の最大のニュースとして「E-Business Suite 11i.10」のリリースを発表した。
カリフォルニア州レッドウッドショアーズに本社を置くOracleは、「Grid Index Report」と呼ばれる調査プロジェクトを立ち上げた。欧州・中東・アフリカ地域(EMEA)で技術とマーケティングを担当するシニアディレクター、ティム・ペイン氏によると、この調査は欧州におけるグリッドコンピューティング関連技術の理解/普及/発展状況を把握するのが目的で、今後半年ごとに報告書をリリースする予定だとしている。
報告書では、グリッド技術の普及段階が「Oracle Grid Index」という0〜10の段階の指標で表され、今回発表された最初の指標は3.1となっている。
「この調査では、グリッドコンピューティングがインターネットと同じ普及パターンをたどっていることが明らかになった。グリッド技術に対する人々の理解と同技術に対する彼らの受け入れ姿勢の間には強い相関関係があることも分かった。要するに、この技術を理解している人がそれを採用しようとしているということだ」とペイン氏は語る。
OracleのEMEA担当執行副社長、セルジオ・ジャコレット氏による初日午前のキーノートスピーチでは、Oracle Grid Index Reportがスポットライトを浴びた。それに続いて行われたチャールズ・フィリップス社長のスピーチは、E-Business Suiteバージョン11i.10のリリースに関する内容だった。
Oracleは既に、小出しする形で11i.10をリリースしている。例えば8月13日には、販売、マーケティング、パートナーリレーションシップ管理の各モジュールのアップデート版が含まれる「Oracle CRM 11i.10」がリリースされた。
Grid Index Reportに関しては、Oracleは英国ウィンザーにあるビジネス調査会社、Quocircaに委託して、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ベネルクス諸国および北欧諸国の企業のシニアITマネジャー603名に聞き取り調査を行った。ペイン氏によると、この調査は6月から7月にかけて実施したという。
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