10周年のTech・Ed 2004開幕、30分がキーワードの講演多数

「Learning Day」と題した開催初日は、短時間でテクノロジー概要を理解できる講演が多数揃った。「30分でズバリ!!」と題された講演は、8日からの最新のテクノロジー講演を聞くために、これまでの復習といえるもの。

» 2004年09月07日 20時52分 公開
[ITmedia]

 国内開催10周年となった「Microsoft Tech・Ed 2004 Yokohama」が、パシフィコ横浜で開幕した。同カンファレンスは、従来までマイクロソフトの開発アプリケーション活用を目的とする開発者向けのイベントとして位置づけられていたが、今期初日は「Learning Day」と呼ばれ、ITプロフェッショナル、アーキテクトに向けた講演ジャンルを増やした。これまでは米Microsoftからの講師が勢揃いするイベントという印象だったが、多くが日本人による講演であり、マイクロソフトの意向が感じ取れる。

 開催初日の7日(火)は、.NETの基礎から応用までを網羅する講演が多数用意された。なかでも「30分でズバリ!!」と銘打った講演は、Learning Dayに相応しく午前、午後で計10セッション揃え、.NET概要からVisual Studio.NET、ADO.NET、Webサービス、Windowsフォームなどをテーマとした各30分完結のもの。いずれの講演もマイクロソフトのMVPを有する講師が招かれ、各テクノロジーの仕組みやサンプルで具体化する簡潔な内容ばかりとなった。

 C# MVPで東日本計算センター、業務一部の小野修司氏による講演は「.NETアプリケーションの動作」と題し、30分で.NETアプリケーション動作の仕組みを始め、.NET Framework概要、Webアプリケーション、Webサービスなどについて注目すべき事項の講演。

30分という限られた時間で.NET概要の解説は見せどころ。小野氏はトピックを厳選した

 小野氏は最初に、「.NET Frameworkは基本的に型枠であり、その中ではWindowsアプリなどが呼び出されるための仕組みが入っているもの」と話し始めた。動作の基本については、コンソールアプリの実行手順について段階的に触れ、これから.NETへと取り組む開発者が理解しやすい内容が心がけられた。

 Windowsアプリケーション開発について小野氏は、「イベント処理については、コンソールアプリと同じようにメインメソッドが呼ばれるまでは同じもの。Windows側のメッセージループ、マウスなどからのメッセージを待つことになる」と言及する(関連特集)

 一方、Webアプリケーションについては「比較的語られることが少ないものの、MSDNには多数のドキュメントがある」と言い、中でも注目すべき事項を厳選した。

 Webアプリケーション実行の仕組みについては、ブラウザからのリクエストでASP.NET(拡張子aspx)のページが解釈されると、以降ソースコンパイル後のアセンブリが一時フォルダに保存される点を解説し、デモ画面上でどのようなソースが自動生成されているかを示した。また、自動生成されたC#の自動生成コードを画面上で紹介し、手軽に仕組みをたどる糸口となった。呼び出し(実行)の点についてもトレース状態を見せ、どのようなイベントが呼び出されるのかを視覚的にすることで、印象を深めた狙いだ。

 さらにWebならではの問題点として「オブジェクトの生存期間(Postback)処理には十分な配慮が必要」と小野氏。講演は限られた時間のためと言い、「Viewstate」のキーワードで検索すれば、更なる糸口となるだろうと付け加える。

 ほかにもオブジェクトの生存期間のバリエーションとして、「Response,Redirect」「Server.Transfer」についても触れ、小野氏による「どっとねっとふぁん」サイトでは幾つかのTipsも紹介されている。

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