外部ストレージを仮想化する日本HPの新ハイエンドディスクアレイ

日本HPは、同社のストレージシステムのフラッグシップとなるハイエンドディスクアレイ「HP StrageWorks XP12000」を発表した。

» 2004年09月08日 18時36分 公開
[堀 哲也,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は9月8日、同社のストレージシステムのフラッグシップとなるハイエンドディスクアレイ「HP StrageWorks XP12000」(下写真)を発表した。ネットワークストレージ製品本部の渡辺浩二本部長は、「市場に風穴を開ける製品」と形容する。

 現行の「XP1024」および「XP128」の後継機種となる製品。XP 1024と比較して、最大シーケンシャルデータ転送レート(8.0Gバイト/s)/最大ランダムI/O性能(190万IOPS)が4倍になるなど、大きくハードウェア性能が向上した。

HP StrageWorks XP12000

 拡張性の面では、ローエンドの外部ストレージ「HP StrageWorks MSA1000」を背後に接続でき、XP12000上の仮想論理ディスクとして利用可能。最大14ペタバイトまで拡張可能だ。

 また、2005年第1四半期には、「EMC Symmetrix」「IBM ESS」といった他社製ハイエンドシステムを外部ストレージとして活用することも可能になる予定(同時期には最大32ペタバイトまで拡張できるようになる)。だが、サポートなどを考えると、他社ストレージとの接続は「投資保護のためのデータ移行に利用する」ためのものという。

 その後、2005年上半期には、HP NonStop Serverにも対応させる。

ILMのための中核プラットフォームに

 日本HPでは、情報ライフサイクルマネジメント(ILM)のための中核プラットフォームとして、XP12000を位置づけており、「コストの最適化」「データの保管」「サービスレベルの管理」の観点から、さまざまなソフトウェア機能を搭載できる。

 そのひとつが、「External Storage XP」と呼ばれる外部拡張ストレージをXP12000の仮想論理ボリュームとしてサポートする機能。外部ストレージを含め全体を一つのストレージプールとして、XP12000を一次ストレージ、MSAを2次、3次用途として利用できるという。

 ポリシーによるデータ移行には、「Auto LUN XP」機能が利用できる。これまでXPアレイのディスク上でしか行えなかったが、外部ストレージも含めた最適化ができる。データ複製の「Business Copy XP」機能も背後に接続したMSA1000に対して複製を作れる。

 また、データ保管という点では、不正アクセスや改ざんという問題が考えられるが、これに対しては「LUN Security Extension XP」でWORM(Write Once Read Many)ボリュームを作成する。

 ストレージの統合化が進めば、サービスレベルの確保も重要になってくる。そのため、XP12000では、キャッシュ/ストレージ/ポートの各リソースを複数の論理パーティションに分離して、単一のアレイシステムに複数の仮想アレイを構築できる「Strage Partitrion XP」「Cache Prtision XP」機能を2005年第1四半期に提供する予定だ。

 ほか、災害復旧用の「Continuous Access XP」にジャーナリング機能を追加したほか、オンラインファームウェア更新機能を強化するなどしている。

 価格は、最小構成のアレイシステム一式で1億3053万6000円。基本管理ソフトとしては、Command View XPライセンス、LUN Configuration & Security Manager XP 1Tバイトライセンスが含まれる。なお、この製品は同日、日立が発表した「SANRISE USP」のOEM供給を受けている

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