2日目を迎えた「PeopleSoft Connect 2004」では製品および技術を統括するグプタ執行副社長が基調講演を行った。過去12カ月の約束を誠実に履行したことや将来PeopleSoft製品に組み込まれる幾つかの新しい機能などを紹介している。
米国時間の9月22日、1万5000人の顧客やパートナーらを集めた過去最大の「PeopleSoft Connect 2004」は2日目の朝を迎え、サンフランシスコのモスコーニセンターでは、製品および技術を統括するラム・グプタ執行副社長が基調講演を行った。
初日、クレイグ・コンウェイ社長兼CEOは、Oracleによる買収提案という悪い夢も見たが、「この12カ月は、J.D. Edwards買収という決断が試された年であり、われわれの価値が試された年だったが、正直で責任ある会社として顧客を支援し続けることができた」と胸を張った。グプタ氏も、J.D. Edwardsの統合やTotal Ownership Experience(TOE)の改善という約束を誠実に履行できたことを顧客らに報告した。
グプタが約束のトップに挙げたのが、Total Ownership Experience(TOE)構想。実装、構成、そして保守の在り方を変革し、アプリケーション所有に関する手間やコストを低減するだけでなく、主要なタスクのパフォーマンスも改善することによって、さらにROI(Return on Investment)を高めていくことが狙い。
TOE構想をぶち上げた時点で既に調査会社からSAPやOracleのアプリケーションよりも優れているとのレポートが出されていたが、PeopleSoftはTOEをさらに60%改善するという目標を立てた。
「われわれはアプリケーションのデザイン、開発段階から見直しを図った」とグプタ氏。
彼は、実装の迅速化のように既に顧客のサイトでは大きな成果を得ているとしたが、さらなるTOE改善の施策や技術も紹介した。
カスタマーサポートの問題解決は44%時間短縮されたが、同社では2005年にはサポートに関するナレッジベースを顧客に公開し、問題解決をより迅速化する考えだ。タスクのパフォーマンス向上という点では、Crystal Reportsの統合をさらに緊密に図るほか、PeopleSoft EnterpriseOne(旧JDE 5)には新規で組み込んでいく。
初日に発表された「Accelerated Upgrade」については、スライドをたくさん使って紹介している。
グプタ氏が「アップグレードの手法を再定義するもの」という同技術は、「まるで家の改築のように複雑なアップグレード」を簡素化することによって、それに要する時間を25〜40%短縮し、システム停止時間も66%減らせるという。カスタマイズした部分を視覚的に識別してその移行を容易にしたり、異なるデータベース製品間でのデータ移行も容易にしたからだ。カスタマイゼーションとデータだけを新しいリリースにコピーするという手法だ。
スライドでOracleからDB2への移行ケースが映し出されると、グプタ氏は「これはデザインゴールではなかったが……」と話し、会場を沸かせた。PeopleSoftは初日、IBMのWebSphereミドルウェア製品群をWebサービスの標準的な基盤として採用することを明らかにしている。
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