IBM、Notes/Dominoのこれからを明らかに

Notes/Domino 7.0は2005年半ばまでにリリースされ、Lotus Workplaceと統合される予定だ。さらにロードマップではバージョン8、9、10も計画されている。(IDG)

» 2004年09月28日 10時06分 公開
[IDG Japan]
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 IBMとLotus部門は、コラボレーションプラットフォーム「Notes/Domino」は死の危機に瀕してはおらず、今後も生き残っていくとユーザーに保証することに一層の力を入れている。

 同部門はNotes 7.0を2005年半ばまでにリリースし、Notes/DominoとLotus Workplaceは自然に統合されるだろうと述べている。Lotus Workplaceは、WebSphere、DB2データベース、Java 2 Platform Enterprise Edition(J2EE)上で動作するコラボレーションコンポーネントの集合。

 Lotusはまた、年内に出荷予定のWorkplaceクライアントのバージョン2.5には、Notesアプリケーションへのネイティブなアクセスが含まれるとしている。またアプリケーション開発向けに、Notes/Domino開発者が使い慣れている既存の開発ツールに合わせた開発モデルとツールセットをプレビューする予定だという。

 「Notes/Domino顧客がWorkplaceを採用する経路は、Notes/Dominoロードマップの一連のバージョンアップを採用することだ」とLotus Workplace製品担当責任者ケン・ビスコンティ氏は語る。同氏によると、ロードマップにはNotes 8、9、10があるという。「顧客は、Workplace技術がNotes/Dominoロードマップに取り入れられると期待できる」

 例えば、バージョン7.0ではNotes/Dominoで初めてIBM DB2がオプションのデータストアとしてサポートされ、ユーザーはDominoデータ・アプリケーションをDB2データベースに格納できる。だがビスコンティ氏はそれに続けて、DominoのネイティブなNSFデータストアもNotes/Dominoが存在する限り存続すると述べた。

 このデータベースオプションにより、LotusはライバルのMicrosoftに対する優位を得ることになる。Microsoftは今年に入って、将来版Exchange向けのデータベースバックエンドを再びリリース延期した(3月11日の記事参照)

 またバージョン7.0では、インスタントメッセージングなどのWorkplaceコンポーネントの統合が進む予定だ。インスタントメッセージングはNotes 6.5で初めて統合されたが、7.0では予定表やスケジューリングもサポートする。

 Lotusは先に、Notes 8はもっと大規模なWorkplaceの枠組みの中で動くクライアント側コンポーネントになるとの見方を示した(8月16日の記事参照)

 「Notes環境にいる人にとって、このメッセージは励みになり、何をするべきかを明確にするものだ」とPatricia Seybold Groupのアナリスト、デビッド・マルシャーク氏。

 難しいのは、ユーザーがどこでWorkplaceに飛び込めばいいのかだと同氏は指摘する。

 「私がDominoを持っているとしたら、どうやってWorkplaceを追加すればいいのだろうか? コンポーネントは使うのか? こうした個々の決定はいまだに難しい」(同氏)

 Lotusは、顧客のWorkplaceをめぐる懸念、思わしくない市場データから、Notesの進化を伝えるメッセージに磨きをかけたい考えだ。Radicati Groupが先だって公表した報告書では、Lotusは向こう4年間、Workplaceプラットフォームが開発されている間にシェアを失うと予測されている。Radicatiは、Lotusの市場シェアは2008年には24%から17%に下落し、Microsoftが31%から33%にシェアを伸ばすと見込んでいる。

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