AkamaiのサービスとIBMのオンデマンドのコンセプトは相性がいい。サーバ機器などの固定資産を必要とせずに、インターネットを通じた突発的な需要に対応できるからだ。
AkamaiのサービスとIBMのオンデマンドのコンセプトは、相性がいい。サーバ機器などの固定資産を必要とせずに、インターネットを通じた突発的な需要に対応できるからだ。
米Akamai Technologiesは、全世界に1万4000台のキャッシュサーバを設置。これを利用して、エンドユーザーに最も近いサーバから、コンテンツを配信するサービスを提供している。コンテンツの書き換えを行う必要もなく、急激な増強ニーズに対応できるため、まさにIBMのオンデマンド戦略と符合したサービスといえそうだ。
米Akamaiのジョージ・コンレイデス氏は、2000年に同社とIBMはグローバル提携をして以来、「グローバルでAkamaiサービスを最も売り上げているリセラー」とIBMを評価する。相性の良さだけに、それもうなづけそうだ。
来日したAkamaiのコンレイデス氏と日本IBMフレキシブル・ホスティング・サービス事業部の渡辺 悟事業部長に、両社の蜜月な関係を聞いた。
――AkamaiとIBMの関係を教えていただけますか?
コンレイデス IBMの顧客へのサービスの一つとして、当社のサービスを販売してもらっています。技術面でも協業しており、IBMのアプリケーションサーバである「WebSphere」を使って、Javaベースのサービスを提供してもいます。
グローバルで見て、IBMにはAkamaiのサービスを最も売り上げてもらっています。当社としても、IBMのオンデマンドイニシアティブをサポートできると思っています。
IBMの顧客は、当社が全世界に展開している1万4000台のエッジサーバを利用して、世界中のどこであっても現地からコンテンツを、プレディクタブル(予測可能)に、拡張性があり、セキュアに配信できるわけです。
――それは、キャンペーンなどで一時的にインフラを増強しなければいけないようなとき、Akamaiのキャッシュサーバを利用してオンデマンドに対応できるというようなことでしょうか? 事例などあれば、具体的に説明してください?
コンレイデス 米国では、オンラインコマースで利用していることが最も多いです。オンラインコマースでは、トランザクションスピードが早いことが重要で、1秒間当たりの売り上げであるSales Per Secondの金額に直結してくるからです。
消費者は、インターネットを通じて物を買ったり、旅行やホテルを予約するようになってきました。米国では、インターネットでクレジットカードを利用することにあまり抵抗のない人が多く、日本より進んでいるかもしれませんが、小売業であれば、リアルな店舗とカタログ販売と合わせて、インターネット販売を重視する傾向にあります。
メディア系では、メジャーリーグのライブストリーミングを配信していますが、日本でも30以上のISPと契約してサーバを配置しています。日本の顧客であれば、日本のISPから配信されるわけです。最近は、音楽ダウンロードにも使われだしています。
また、ソフトウェア企業も利用しています。物流コストをカットするするために、ダウンロード販売を行ったり、バージョンアップのライブアップデートを配信するために利用しています。
今3つの業種を挙げましたが、これらに共通するのは「オンデマンド」という言葉です。例えば、メジャーリーグのサービスを誰がどこから購入するか、まったく予想がつきません。このような予想ができないことに対し、Akamaiのサーバを24時間365日利用することで、対応できるようになるのです。
渡辺 顧客にとって、ITインフラへの投資というはビジネスのピークを想定していました。B2Bといった企業同士のリレーションであれば、まだ予測がついたのですが、インターネットの普及により消費者のハイテク化が進みました。相手が消費者になってくると、本当に予想がつきません。
このビジネス領域をサポートするインフラをきちっと構築しなければならなくても、予想ができないのですから、どれだけコストをかけていいか、分からないわけです。こういった悩みを解いていこうというのが、オンデマンドのコンセプトといえます。
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