法令順守を支援、イキソスがNotes対応メールアーカイブシステムを投入

イキソスソフトウェアは10月6日、企業の法令順守を支援する電子メールアーカイブシステム「IXOS-eCONserver for Lotus Notes」を発表した。

» 2004年10月06日 18時46分 公開
[高橋睦美ITmedia]

 「企業全体のリスクマネジメントに取り組む上で、企業コンテンツ管理(Enterprise Contents Management)は不可欠だ」――10月6日に新製品「IXOS-eCONserver for Lotus Notes」を発表したイキソスソフトウェアは、このようなメッセージを強調した。

 日本では多くの企業が、2005年4月に控えた個人情報保護法の全面施行をにらみ、ログの保存や従業員がやり取りする電子メールの監査といった施策に取り組み始めた。一方米国では、EnronやWorldcomといった企業での不祥事を期に、経営の透明性を確保すべく米国企業改革法が定められ、これに沿って内部統制の文書化などが求められるようになった。さらに金融機関/証券会社では、すべての電子メールを3年の間保存することが義務付けられている。

 日米問わず、これらの動きが目指すところは、何か事故や事件が発生した際に迅速に調査を行い、説明責任を果たせるような体制を作り上げることだ。だがそこで1つ問題が生じる。膨大な量に上る電子メールデータを、どうやれば効率的に、業務を妨げることなく保存するかだ。

 イキソス、および同社と業務統合したOpen Textの製品群を組み合わせることで、この課題に答えることができると、同社副社長の勢山登喜子氏は述べた。「個人情報保護法をきっかけに盛り上がったメール/ログ保存のニーズは高いが、このブームは2〜3年で収まるだろう。われわれは中長期的には、企業全体のリスクマネジメントやトラッキングを支援するECMソリューションを展開していく」(勢山氏)。

 もともとSAP R/3向けのアーカイブ製品を開発してきたイキソスソフトウェアでは、Microsoft Exchange環境での電子メールの保管/監査を支援すべく「IXOS-eCONserver for MS Exchange」を提供してきた。今回リリースされた新製品は、そのLotus Notes版である。

 IXOS-eCONserver for Lotus Notesは、Notes R6以降でサポートされたジャーナルサーバを生かし、メール本文や添付ファイル、オブジェクトなどをまとめてアーカイブする。このアーカイブデータはDVDチェンジャのほか「EMC Centera」「日立 SANRISEシリーズ」といったストレージシステムに格納可能だ。データ改ざんを防ぐWORM(Write Once Read Many)機能を組み合わせれば、長期の保管でもデータの真正性を損なうことはないという。

 一方、ユーザー側インタフェースには「アーカイブ」されていることを示すアイコンが示され、これをクリックすると実データにアクセスしに行くという仕組みである。頻繁に参照されるメールについては、キャッシュを組み合わせることでレスポンス向上を図った。

IXOS-eCONserver画面 IXOS-eCONserver for Lotus Notesを動作させていた場合のユーザーインタフェース

 このシステムは、各種法規制への順守を支援するだけでなく、Notesサーバの負荷軽減やディザスタリカバリ対策の一環としても利用できる。電子メールの全データのうちかなりの割合を占める添付ファイルだけを選択し、アーカイブするといった運用も可能だ。

 同社サービス本部長の長岡純氏は、「今後は、パートナー企業とともに、保存した電子メールデータを監査する際の検索やレポートといったフロントエンド機能の強化に務めていきたい」と述べている。また、Sendmailなどを用いたいわゆるインターネットメールについても、同様のソリューションを提供できるよう開発を進める方針だ。

 IXOS-eCONserver for Lotus NotesはLotus Notes R5/R6/R6.5をサポートしており、価格は1000ユーザーで750万円から。同日より販売が開始されている。

 なお同社はこの日、日立製作所と提携し、「SANRISEシリーズ」に対応した「IXOS-eCON Solution Suite」の提供を開始することも発表している。

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