ストレージソフトを“ホームグラウンド”にしながら、ユーティリティ環境を提供するソフト企業へ変貌を遂げようとするベリタス。ブルームCEOは、既に「ストレージに限らず広範な分野で使われている」と話す。
ソフトウェアベンダーによるユーティリティコンピューティング実現の優位性を、一貫して説き続けるベリタスソフトウェア(ベリタス)。「VERITAS VISION 2004 JAPAN」でもゲイリー・ブルームCEOは、このメッセージを繰り返した。
とはいえ、同社にとって、ある意味ホームグラウンドであるストレージに依存する比率は高く、どうしても「ストレージ管理ソフトのベリタス」、「バックアップソフトのベリタス」というレッテルが貼られる。
ブルームCEOは、「ストレージに限らず広範な分野でベリタスは使われている」と語り、これを否定する。VERITAS VISION 2004 JAPANで来日中のブルームCEOと、アジア太平洋地域を統括するスティーブン・レオナルド副社長兼GMに聞いた。
――ユーティリティコンピューティングを提唱しているものの、依然「ストレージ管理ソフトのベリリタス」とストレージのイメージから脱却しきれていません。ストレージ関連ソフトとそれ以外で売り上げ構成は、どのような比率でしょうか?
ブルーム ワールドワイドでも、私たちは往々にしてストレージベンダーやバックアップソフトベンダーとして見られてしまいますが、現実はそうではありません。高可用性のクラスタリングについても、リーダー的な役割を果たしてきたと自負しています。アプリケーションパフォーマンス管理(APM)においても、日本で100社以上の顧客がいます。グローバルベースでも日本でも、広範な分野で実装されているというのが現状です。
内訳からすると、バックアップからの収益が50%、残りの半分がストレージ管理、アベイラビリティ、APMという構成になります。収益はグローバルで20億ドルにとどきそうなところで、これだけの収益を上げているわけですから、どこに行っても名の通じる会社になりつつあります。
――ベリタスが目指すユーティリティコンピューティングのゴールは、IT部門のバリューセンター化とのことですが、何をもってIT部門が価値を生み出すと言えるのでしょうか?
ブルーム バリューセンターへシフトするには、現在の複雑なインフラを管理しなければなりません。例えば、マーケティング部門がより販売効率を高めるために、また製造部門が製造効率を高めるために、ITの複雑性を排除するのです。これにより生まれたお金を、もっと生産性のあるビジネスアプリケーションに使っていく。そうして、価値を生み出せるのです。
レオナルド 具体的な数字として、ブリティッシュ テレコム リテール(BTリテール)では、かつては日々の運用に60%の予算を使っており、他社との差別化を図るためのビジネスアプリケーションに使われていたのは30%でした。しかし、現在では運用に使われるコストを50%未満に抑え、残りをビジネスアプリケーションに使っています。
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