「競合は気にしない」――AmazonのベゾスCEOが来日

米Amazon.comのベゾスCEOが来日し、同社の成功の秘けつを語った。

» 2004年10月12日 18時46分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「Amazonが成功したのは、テクノロジーや競合の状況など、すぐに変化するものに左右されなかったからだ」――10月12日、アマゾン・ジャパン内にオープンした「おもちゃ&ホビーストア」に関する記者会見で、来日した米Amazon.comのジェフ・ベゾスCEOは話した。

 代わりに同社が戦略の柱にすえたのは、顧客第一主義。顧客の立場に立って、できるだけ多くの商品を低価格・便利に提供してきたと自負する。「Amazonがスタートした9年前、『2年でなくなるだろう』と言われていたが、ここまで大きくなったのは、常に顧客を第一に考えてきたためだ」(ベゾスCEO)。

「アマゾンが国内で成功したことに正直びっくりしている」と話す記者に対しベゾスCEOは「私もだ」と答えて会場を沸かせた。

 日本を含め、世界7カ国でECサイトを運営する同社。年間総売り上げ高は50億ドルを超え、発行アカウント数は4200万にのぼる。総売り上げの55%をアメリカが占めるが、「残り45%のうち、日本の割合はかなり大きい」(ベゾスCEO)ため、今後も日本で積極的に新事業を展開したいとした。

 アメリカの玩具販売サイトではToys "R" Usから契約違反で訴えられるなどトラブルも起きているが、これについて聞かれると「競合については語らない方針。日本のおもちゃ販売はToys "R" Usを通しておらず、この問題は関係ない」とかわした。

 また、9月からスタートした独自の検索サービス「A9.com」については「書籍検索やムービーデータベースの検索技術と一緒に開発している。検索分野でもこれから多くのイノベーションがあるだろう」(ベゾスCEO)と話すにとどまった。

記者発表会会場に並んだおもちゃの中からトトロのぬいぐるみを見つけて抱き上げ、そのまま会見をするベゾスCEO

ガンダムにも注力した「おもちゃ&ホビーストア」

 アマゾン・ジャパンが10月12日にオープンした「おもちゃ&ホビーストア」は、国内外のメーカー約120社、合計2万点を以上のおもちゃを、定価の最大30%引きで提供する。

 おもちゃは「プラモデル」「ぬいぐるみ」「電子玩具」「ホビー」など21のカテゴリーに分類した。ホビーカテゴリーにはフィギュアやトレーディングカード、鉄道模型など「大人の趣味グッズを集めた」(野口真エレクトロニクスプロダクトマネージャー)。

 商品はキャラクターやブランド、メーカー別でも選べるほか、「0−12カ月」から「18歳以上」まで、8つの対象年齢別でも選べる。

 ガンダムグッズを集めた「ガンダムストア」も設置。作品別やシリーズ別でガンプラやグッズを検索できる。「ガンダム関連製品はアマゾンの他のショップでも好調に売れているため、期待・注力したい分野」(野口エレクトロニクスプロダクトマネージャー)。

 商品レビューは、「楽しさ」「耐久性」「教育的評価」を5段階で評価できるようにした。

 税込み1500円以上購入すれば、国内配送料は無料。Amazon.co.jpの他ショップ同様、お気に入りの商品を登録しておく「ウィッシュリスト」や、ユーザーのWebサイトに張ったリンクから商品が購入されれば、ユーザーが売り上げの一部をもらえる「アソシエイトプログラム」などのサービスが利用可能だ。

 オープンを記念して、映画監督の押井守さんや声優の古谷徹さん、女優の菊川玲さんなどのインタビューを掲載する。また、10月末までに税込み3000円分以上注文すれば、その場で使えるAmazonギフト券300円分がもらえるキャンペーンを行う。

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