Intel、4GHzのPentium 4は投入せず

Intelは約束していた4GHzのPentium 4の投入を取りやめ、マルチコアによる性能アップに専念することを明らかにした。(IDG)

» 2004年10月15日 07時20分 公開
[IDG Japan]
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 米Intelが、デスクトッププロセッサに関してマルチコア時代に到達する前の直近の計画を認めた。4GHzのPentium 4はリリースせず、新しい設計を中心としてエンジニアを配置し直す。広報担当者が10月14日確認した。

 Intelの設計とマーケティングはこの1年で構造的な転換を遂げている。過去何年にもわたってクロックスピードをプロセッサの性能を表す最も重要な指標として宣伝してきた同社だが、現在では、マルチコア製品と新シリコン機能(「Ts」と総称)の導入が、プロセッサの性能を向上させる最良の手段だとの考えだ。

 Intel社長兼COOのポール・オッテリーニ氏は4GHzのPentium 4投入を約束していたが、この約束を破るという困難な決断を同社は下し、この製品に携わっているエンジニアはほかのプロジェクトに移す予定だと、広報のビル・カーコス氏は話した。

 同社は今年に入って4GHz版Pentium 4のデビューを来年1〜3月期に延期していた。昨年11月のアナリスト説明会でオッテリーニ氏は、4GHz版Pentium 4を今年末までに投入すると約束したが、その後Intelでは大きな変化が起きている。

 Intelが4GHzの製品を投入できない技術的な障壁は何もないと、Intelのプラットフォームマーケティング担当ディレクター、ビル・カービー氏は説明する。しかし現実面では問題が存在し、そのような製品を投入するためには回路設計の修正とテストに時間と労力を費やさなければならなくなる。これは半導体メーカーが高速化を確認するときの常だが、ある時点で、もはや労力を割くだけの価値がなくなってしまうと指摘する。

 「性能は今でも重要であり、複数のベクターでの性能も重要だ。根本的な問題は、メガヘルツを追及するか、それともキャッシュやマルチコアといったほかの機能に注力するかだった」と同氏は話している。

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