情報の価値を最大化するILMの真髄

ILMを提唱するEMCジャパンは11月2日、「EMC Forum 2004 AUTUMN」を開催する。EMCのILMソリューションは既に実践可能であり、単なるコスト削減効果だけでなく、企業が持っている情報の価値を最大限に活用するのが目的だ。

» 2004年10月18日 14時00分 公開
[ITmedia]

 すっかりストレージ業界のトレンドを表す言葉として定着した情報ライフサイクル管理(ILM)。EMCジャパンは11月2日、東京国際フォーラムでILMをテーマに「EMC Forum 2004 AUTUMN」を開催する。情報管理に興味があるシステム企画・運営の担当者や、SIerにオススメのフォーラムだ。

 さまざまなところで言われているように、企業が蓄積する情報の増加は激しい。テラバイトという規模で年々増え続ける情報を、限られた予算の中でいかに上手に管理していくかは、企業にとっては頭の痛い課題の一つ。

 そこで、情報のライフサイクルに注目して効率的な運用・管理を行い、ストレージや管理にかけるコストを削減しよう、と昨今ストレージベンダーはILMというコンセプトを提唱しはじめた。情報の価値に合わせて、パフォーマンスとコストの最適なストレージに格納して、費用を抑えていこうというものだ。

 だが、このコンセプトをいち早く提唱したEMCジャパンでマーケティング本部長を務める西澤伸樹氏は、コスト削減ばかりがILMの目指すところでないという。

西澤伸樹氏 「製品・サービス・ソリューションだけでなく、既にILMで実績を出しているのがEMC。これらをリアルに知ることができるのがEMC Forum」と話す西澤氏

 「ILMの本当の目的は“情報の価値の最大化”なんです」

 ストレージをうまく管理していくには当然、格納された情報を分類して、それに応じた管理を行っていくことが基本になる。しかし、その結果として、情報を即座に引き出せたり、蓄積された情報を分析していくことで新しい情報として、新たな価値を生み出せるというわけだ。

 「企業の資産の中で近代的に管理されていないのは、情報ぐらいじゃないでしょうか? しかし、本当は個人や部門、企業に蓄積された情報を武器として、勝ち残るために利用していく必要があるのです。企業戦略に合わせてデータを分類し、価値を生み出していく。ILMは、そういった面に効果を発揮する」と西澤氏。

 ストレージの管理手法であるだけでなく、情報を最大限に活用して、勝ち残るための武器に利用しようというのが、EMCが唱えるILMの到達点だ。

実践的なILMソリューションを知るEMC Forum

 11月2日の「EMC Forum 2004 AUTUMN」は、EMCが考えるILMのエッセンスをリアルに知ることができる場だ。既に実績を上げ、十分に実践的となったソリューションが示され、いわばILMの最新事情を知るための「Off会」のようなもの。

 ソリューションの概要や、実経営の視点から情報の価値が語られるゼネラルセッション(午前)。EMCジャパンの提供している実践段階の10のソリューションが詳しく解説されるブレイクアウトセッション(午後)の2部構成で、ストレージの最新動向から個別の課題の解決策にいたるまで、順々に理解を深められる仕組みだ。

 午後からのブレイクアウトセッションは、「バックアップ/リストア」「ビジネスの継続性」「TCOの削減」「統合」「コンプライアンス」「MS Exchangeの最適化」「Oracleアプリケーション/データベース」「SAP」「コンテンツ管理」「ストレージ・リソース管理」と、テーマごとにEMCの10のILMソリューションとマッピングされている。各ソリューションについては、9月から同社のWebサイトで基本情報についての連載がスタートしている。フォーラムに参加する前に、一度のぞいてみると理解の助けになる。

楽しむための一押しセッション

 12のブレイクアウトセッションの中でも、最も興味深いのは「コンプライアンス」(法令遵守)に関するセッションだろう。日本でも個人情報保護法やe-文書法などと、法規制が整おうとしている。法律家の視点から語られるセッションから、規制の進む米国の事例が語られるもの、情報のアーカイブに関する具体的なソリューションが語られるもの、と規制に備えるためのさまざまな情報が得られるはずだ。

 また、ストレージの観点からアプリケーションの理解を深めるには、「Exchange」「Oracle」「SAP」といったセッションがオススメ。システム運用であれば、「TCOの削減」「バックアップ/リストア」「ストレージ・リソース管理」といったセッションを回ると良さそうだ。

 ストレージの最新動向を知りたいのなら、「ストレージ・リソース管理」のセッションで話される「ストレージルータ」などは、非常に興味深いところ。ストレージはまだコンピュータの周辺機器の一つと考えられているかもしれないが、ITの領域で急速にインテリジェント化が進んでいる分野でもある。これからもITからアドバンテージを得て行くには、このドメインの動向をウォッチしていくことが必要だ。

 「EMC Forum 2004 AUTUMN」は、増え続ける情報の管理に対する課題の解決だけでなく、ダイナミックに変わりつつあるストレージへの理解を深められる。足を運んでみてはどうだろうか。

※ 企業が抱える情報管理の課題について、EMCがどのように解決策を導き出すか、10のソリューションに分けて解説します



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