富士通、テープをディスクに見せる大容量ライブラリ製品

富士通は、テープをディスクとして仮想化することで低価格大容量を可能にした仮想ディスクライブラリシステム「ETERNUS バーチャルディスクライブラリ」を発表した。

» 2004年10月26日 20時50分 公開
[堀 哲也,ITmedia]

 富士通は10月26日、テープをディスクとして仮想化することで低価格大容量を可能にした仮想ディスクライブラリシステム「ETERNUS バーチャルディスクライブラリ」を発表した。

ETERNUS バーチャルディスクライブラリ

 同システムは、バーチャルディスクコントローラの「ETERNUS VD800」と、同社のテープライブラリ「ETERNUS LT160」を組み合わせて実現するもの。LTOテープを搭載するテープライブラリを最大64台まで拡張することで、8Pバイトという仮想ディスク容量を実現する。

 ストレージシステム事業本部ストレージソリューション事業部の松島等事業部長は、「大容量のデータを保存してマネジメントしなければいけない時代になった。オープンシステムに、メインフレームの技術をよみがえらせた古くて新しい製品」と、そのコンセプトを説明した。

 テープをディスクとして見せるため、安価に容量を増やしたいデータ保管用途に向けた製品、と位置づけている。1Pバイトの容量をディスクアレイに保存した場合に比べると、仮想ディスクライブラリを使用する方が90%もコストを抑えることができるという。

 e-文書法により増加すると見込まれる電子書類の保管用途に適しているといい、同社のソフトウェアソリューションと組み合わせれば、長期保存のための改ざん防止も可能にする。

 VD800には、階層制御プロセッサが内蔵されており、このプロセッサがアクセス頻度によってデータの保管媒体を自動的に移行する階層管理を実現。参照されない古い情報は、ディスクコントーラのVD800が備えるディスクから、LT160テープライブラリへとポリシーに従って移行。その後、テープライブラリに落ちたデータに対してアクセスがあれば、再びデスクアレイにコピーして、高速にアクセスできるようになる仕組みだ。ただし、実体はテープライブラリのため、テープ上のデータへのアクセスには「3分ほど」の時間がかかってしまう。

 長期保存の要件によっては、ストレージ装置の耐用年数を超える可能性も考えられるとし、その場合もこのプロセッサが次世代のライブラリに移行してくれる「新陳代謝機能」も備えている。

 ディスクコントローラには、ディスク容量最大36Tバイトまで拡張でき、テープライブラリを2台を接続できる「モデル50」、ディスク容量最大72Tバイトでテープライブラリ16台まで接続する「モデル200」、ディスク容量最大72Tバイトでテープライブラリを64台まで接続できる「モデル800」の3種類を用意した。

 価格は、最小構成のディスクコントローラとテープライブラリで6498万円から。1月31日から出荷する。

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