N1 GridでTCO削減、SAP基盤としてSPARC/Solarisサーバは実証済み(2/2 ページ)

» 2004年10月29日 22時02分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 サンでは、1台のサーバを物理的に分割する「Dynamic System Domains」機能をSun Fire 4800以上のミットレンジサーバ、およびハイエンドサーバに盛り込んでいる。メインフレーム級の堅牢さを実現するのが狙いだ。分割された個々のドメインは、例えば、ほかのドメインで発生したハードウェアやソフトウェアの障害から隔離されるため、開発やテストの環境が本番稼動環境に影響を及ぼすこともない。

 一方、初期コストを抑えたいユーザーには、AMD Opteronプロセッサ搭載のローエンドサーバを複数台組み合わせるソリューションも用意されている。

 「サンの強みは、どちらでも同じSolarisが採用されていること。開発段階からセキュリティ機能が組み込まれているほか、比類のないスケーラビリティーはSAPのプラットフォームとしても実証済みだ」と川崎氏は話す。

 SAPシステムの性能指標としてはSDベンチマークが知られているが、トップエンドの「Sun Fire E25K」が72CPUの構成で、ローエンドの「Sun Fire V20z」は2CPUの構成でそれぞれ最高性能を記録している。

 杉本氏は、「SAP導入に求められるITインフラとしての品ぞろえは極めて豊富で、しかもSolarisが共通の基盤となる。一部にはOpteronも採用しているが、ローエンドからハイエンドまで、SPARC/Solarisによるシングルバイナリ互換環境を提供できている」とプラットフォームの優位を強調する。

mySAP All-in-One対応の構築サービスも

 サンは、「SAPインフラ構築クイックスタートサービス」を用意し、中堅企業向けの取り組みでもSAPを後押しする。SAPのインフラ構築でノウハウを培ったサンが、「mySAP All-in-One」のパートナーらと協業すべく、SAPのインフラを整えるのに必要とされるサービスを定額で提供するものだ。

 SAPジャパンは昨年2月、従業員が100人から1000人程度の中堅企業向けに、短期間で低コストのシステム導入を提供するプログラムとしてmySAP All-in-Oneを発表した。このプログラムは、アプリケーションとともに、SAP導入に豊富な経験を持つパートナーらが開発した業種別のソリューションテンプレートをパッケージ化し、定額で提供するもの。価格は、各社のテンプレートによって異なるが、ハードウェア込みで2億円くらいから導入できるという。

 SAPインフラ構築クイックスタートサービスを利用すると、70ユーザー規模の場合、ハードウェア(開発、テスト、本番稼動)、ソフトウェア(OS、バックアップソフトウェアなど)、インフラ構築サービス合計でも2500万円弱に抑えられる。

 「IAサーバが安い、というイメージが強いが、SPARC/Solarisサーバも遜色ない価格で提供できる」と川崎氏は話す。

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