元Oracle幹部レイ・レーンがSalesforce.comの構想を後押しDreamforce 2004 Report

Salesforce.comの年次ユーザーカンファレンス「Dreamforce 2004」にKleiner Perkins Caufield & Byersのゼネラルパートナーを務めるレイ・レーン氏が登場し、同社の構想を後押しした。

» 2004年11月03日 18時51分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 ベンチャーキャピタルの大物がSalesforce.comの「オンデマンドソフトウェア」構想を後押しする。

 米国時間の11月2日、カリフォルニア州サンフランシスコで開幕したSalesforce.comの年次ユーザーカンファレンス「Dreamforce 2004」にKleiner Perkins Caufield & Byersのゼネラルパートナーを務めるレイ・レーン氏が登場した。彼は1990年代、Oracleの社長兼COOとしてラリー・エリソンCEOを支えた。Salesforce.comのマーク・ベニオフ会長兼CEOとは、同時期にOracleで働いた仲だ。

現在はベンチャーキャピタリストとして活躍するレーン氏

 レーン氏は、「だれも将来を占う水晶玉を持っているわけではないが、過去を振り返ることで手掛かりは得られる」とし、現在を基点に10年前の1994年を振り返り、10年後2014年を展望した。

 1994年はちょうどNetscapeブラウザが彗星のように現れた年だ。あれから10年、インターネットの普及は進み、さらにこれからの10年はその密度が高まる時代に入ると彼は予測する。

 もちろんインターネットは既に多くの変化をもたらしている。デジタル化によってさまざまなコストは1/10近くまで下がり、時間も1/10に短縮された。10年後には、それぞれ1/100になるのは容易に想像がつく。そこでのユーザー体験は、「バーチャル」「オンデマンド」、そして「コンテクチュアル」がキーワードとなる。

 「クライアント/サーバは1970年代の産物、音楽も服装もおかしな時期だった。ペイズリー柄のシャツ、太いネクタイ……、クライアント/サーバも間違いだった」とレーン氏。

 1970年代に登場したクライアント/サーバは、その後、Oracleらによって次世代のアーキテクチャとして推進され、1990年代に入るとPCの高機能化とLAN(Local Area Network)の普及によって拍車がかかった。

 しかし、クライアント/サーバが残したのは複雑さだったとレーン氏。

 「平均的な企業は1000〜5000のデータソースを異なるデータベースで管理している。どのようにしてアプリケーションを開発しようというのか?」(レーン氏)

 現在、Salesforce.comのサービスは、11カ国語で提供されており、設定を切り替えるだけだ。グローバルに展開する拠点が顧客に関する情報を共有できるようになっている。

 「モデルは変えなければならない。Salesforce.comのユーザーであるあなたたちなら変えられる」(レーン氏)

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