業種ごとにBIツールを提供するIFS

IFSにおいて、ビジネスインテリジェンス機能を提供するモジュール「Business Performance」について、フィンランドから来日したステファン・ナイバーグ氏に話を聞いた

» 2004年11月04日 18時15分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 自動車をはじめ、製造業の現場の業務に関わる分野でのソリューション提供で知られるERPベンダーの1つにIndustrial and Financial Systems(IFS)がある。同社はスウェーデンに本拠を置き、母国のボルボをはじめ、ドイツのBMW、半導体メーカーの米National Semiconducter、Lockheed Martinなど、製造業を中心に45カ国3000社を超える顧客企業に製品を提供している。

 また、1997年に設立された日本法人は、NEC、日本IBM、日本ユニシスなどがチャネルパートナーとして販売を行っている。製造業の現場への導入実績が多いIFS Appplicationsは、一般的にパッケージを導入しにくいと言われる日本の製造業の製造プロセスを効率化するツールとして、幅広く浸透していくことが期待される。

 今回、ビジネスインテリジェンス機能を提供するモジュール「Business Performance」について、フィンランドから来日したステファン・ナイバーグ氏に話を聞いた。

ナイバーグ氏

 Business Performanceについて、同社は、計画、レポート、分析、スコアカード機能と統合されたパフォーマンス管理システムと説明する。IFS Applicationsからデータを取得し、データウェアハウス(DWH)を構築することによって、ユーザーは、自分の業務に関係するビジネス情報を細かいレベルで取得することができる。

 「指標のない戦略は願いに過ぎない」と話すナイバーグ氏。Business Performanceは、スコアカード機能を中心に、指標経営を実現するために提供されるアプリケーションだ。IFSは、自動車業界、企業資産管理、設備管理、産業機械&機器という5つの分野に特化する形で、Business Performanceを提供する。各分野で必要とされる標準的な指標をパッケージ化することで、例えば、自動車業界で求められる各指標などをターゲット指標として漏れなく導入できる。

 また、BIの導入から利用までの作業を容易にすることができるため、BIの導入経験や知識がないユーザー企業でも、指標経営を実現するための基盤を比較的容易に作ることができる。

 さらに、バランススコアカードの機能を提供するIFS Scorecardでは、戦略を財務、顧客、社内プロセス、また、学習および成長などの観点から、ターゲット指標へと変えることを支援するという。

 ナイバーグ氏は、IFSのBI導入企業として、英国のCosaltについて紹介した。同社は、膨張式救命いかだおよびジャケットを提供するメーカー。既に、IFS用のメインフレームが稼動していた同社では、営業およびマーケティング向けにCRMも稼動している。2003年11月には、Business Performaceを導入、BSCの考えを基に、新プロジェクトCompassを立ち上げた。

 Compassは、会計、人事管理、経営、顧客サービスという4つの軸を基盤に、指標経営を行おうとするもの。Business Performace導入により、IFS ApplicationsとCRMをうまく利用できるようになったという。目標とした製品群での利益は既に2%増加しており、年間ベースで換算すると投資リターンは7倍になったとしている。

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