Exchange Serverを最適化するILMソリューションEMC Forum 2004レポート(1/2 ページ)

現在のビジネスで勝ち残るため、メッセージング・ツールは重要度を増している。マイクロソフトとEMCは、パートナーシップを強化し、Exchangeの最適化ソリューションの開発を進めている。

» 2004年11月12日 20時57分 公開
[宍戸周夫,ITmedia]

 現在、ビジネスで勝ち残るためには、情報の共有とコラボレーションが必須条件となる。それを目的としたメッセージング・ツールが数多く提供されているが、耐障害性や堅牢性、さらに管理の容易性は特に重要なポイントといえる。メッセージング・ツールは止まることが許されないからだ。

 「Exchange Server」を提供しているマイクロソフトは、EMCとパートナーシップを強化し、Exchangeの最適化ソリューションの開発を進めている。

 EMC Forum 2004では、マイクロソフトの吉田淳氏(エンタープライズサーバービジネス本部コラボレーションプラットフォーム推進部コラボレーションSEグループマネジャー)が、コラボレーションの現状と、それに対応する「Exchange Server2003」を紹介。続いてEMCジャパン・ソリューションセンターの各務茂雄氏が、情報ライフサイクル管理(ILM)ソリューションとExchangeとの協調関係について説明した。

コラボレーションの現状と課題

 マイクロソフトの吉田氏が指摘したのは、現在のユーザーが抱えているメッセージングやコミュニケーション・ツールに対する課題だった。

吉田淳氏 マイクロソフト エンタープライズサーバービジネス本部コラボレーションプラットフォーム推進部コラボレーションSEグループマネジャーの吉田淳氏

 「ある調査では、社員は業務に必要な情報のうち約50〜75%を人から得ているという結果が出ている。顧客向けの提案書や企画書を作る場合も、人から情報を得てというケースが多い」。業務を進める上では、現実的に情報共有が必要というわけである。

 続いて、ガートナーやメタ・グループの調査結果などを示しながら、「ビジネスマンは1日平均65.8通の電子メールを受信し、その処理に平均3.8時間を要している。すでに電子メールはビジネス・コミュニケーションの基盤となっており、作業効率の向上が求められる。同時に、メールの停止やデータ消失は許されない。電話とメールのどちらが止まったら困るか、という問いには74%がメールと答えている」と話し、電子メールの重要性を指摘した。

 たが、その一方で電子メールが引き起こす弊害も年々増加している。その一つが、ウイルス感染やスパムメールだ。2003年上半期のウイルス感染経路では、その94%が電子メール経由だった(情報処理振興事業協会セキュリティセンター)。そのため、クライアント/サーバの両サイドで、問題のあるメールをブロックできる環境が必要とされている。

 また、世間では毎週のように情報漏えい事件が報じられている。情報処理振興事業協会が国内で実施した調査でも、情報漏えいの70%は内部からのものといい、セキュリティ被害の中で経営にもっとも大きな損害を与えていることが分かっている。吉田氏は、「コミュニケーション環境の課題が浮き彫りになっている」と指摘した。

マイクロソフトが提供する改善策

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