ソフトウェアの操作性を解説するには、実際の画面をカーソルの動きと共に見せるのが理想だ。マクロメディアから発売されたCaptivateは、Windows上のカーソル操作と画面を記録し、保存後でも編集が可能な特徴を持つ。
Windows上でソフトウェアの機能性を解説したり、具体的に作り込む過程を示すには、文字や口答よりも、実際の画面で示す方が理解が早い。Eラーニング市場においても、実際のソフトウェア画面を見せながら解説すると、受講者の理解力が高まることが想像に難しくない。
マクロメディアから発表された「Macromedia Captivate日本語版」は、画面操作ムービーを作成する容易さ、編集機能の多彩さが特徴といえるソフトだ。基盤となっているのは従来まで「RoboDemo」として市場で知られていた製品であり、Flashムービー形式のエクスポートも可能としている。
マクロメディアブランドとしてリリースされたCaptivateには、ウィザードと呼ぶに相応しい容易なムービー作成を可能とする機能が付加された。また、同社で最もターゲットの近い「Macromedia Breeze」へのデータエクスポートや、Macromedia Flashへもメタデータが付加されたまま受け渡すことができる。
Captivateで作り込んだ画面データをエクスポートし、インタフェースを作り込むことで、Eラーニング総合教材作成としての価値を高められるとの狙いだ。
Captivateは、Windows上で画面の動きを記録するソフトだと思えば誰もが想像しやすいジャンルだろう。しかし、単に画面上の動きを記録する以上に、幾つかの優位性が備わっている。
ひとつは、画面上で動作するソフトウェアのイベントを関知し、用意されているXML形式の対比一覧から操作補足データを内部参照、そして自動付加するという機能だ。例えば、英語版ソフトウェアの画面操作を記録しても、Captivate日本語版を利用すれば、写真に見られるような日本語補足バルーン(標準では黄色のもの)が自動付加される。ソフトウェア自体がイベントをモニターしているのだ。
これにより画面の動きだけをキャプチャしても、カーソル部を自動強調してくれる効果がある。
また、もうひとつの大きな特徴は、記録した画面操作データをCaptivate上で動画編集のようにカーソル操作のタイミングなどを変更したり、音声を付加させることができる点だ。
データ量の参考までに、インタビューの際にデモで披露されたスライドでは、42.4Kバイト/秒のビデオ、1Kバイト/秒未満の音声が含まれている総データサイズで668Kバイト。42.6Kバイト/秒のストリーム配信、という十分に軽いデータに仕上がっていた。
Captivateで出力されるFlashムービーを、あえてMacromedia Flashで作り込んだ場合、ファイルサイズはどのような違いになるのだろうか? とフライシャー氏に聞いたところ、「特に違いが感じられない程度に実現可能。Captivateによる真価は、作り込む手間が大幅に軽減でき、場合によって90%程度の削減が可能な点が優位さ」とのこと。
Macromedia Captivate日本語版は、12月3日から販売開始。3つのパッケージが用意され、それぞれの価格は通常版が72,000円、エデュケーション版が28,000円、アップグレード版は36,000円となっている。
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