Oracle、PeopleSoft買収への障害をまた1つクリア

過半数株を獲得したOracleの次なる障害はポイズンピルだ。それを解除できなかった場合、PeopleSoft取締役会メンバーを入れ替えるため、委任状争奪戦を展開することになる。(IDG)

» 2004年11月22日 11時19分 公開
[IDG Japan]
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 過半数のPeopleSoft株主が、Oracleによる敵対的買収を進めても良いという「ゴーサイン」を出した。Oracleは、期限とされていた11月19日までに公開買い付け価格1株24ドルで、60%以上のPeopleSoftの発行済み株式を獲得した(11月20日の記事参照)

 17カ月にわたるOracleの買収キャンペーンが19日深夜に終了すると考えていたPeopleSoftにとって、この結果は衝撃だった。Oracleは、この日までに過半数のPeopleSoft株を獲得できなければ買収提案を撤回すると宣言していた(11月2日の記事参照)

 Oracleの買収計画は、PeopleSoftの取締役会の反対によって阻まれている。取締役会は、PeopleSoftが規定している敵対的買収を阻止する権利を主張することができる。Oracleはデラウェア衡平法裁判所にこの措置の解除を請求しており、両社は11月24日、レオ・ストライン判事の前で顔を合わせ、判決を言い渡されることになる。

 Oracleは11月20日、PeopleSoftの取締役会にあてた書簡で、「PeopleSoftの株主、顧客、従業員のために、この1件を終わらせる時期にきている」と述べた。Oracleは株式市場が開く22日前に発表したいとして、買収取引を最終決定するための会合を週末に実施したいとPeopleSoftに求めた。

 Peoplesoft取締役会はこの求めに応じなかった。内々の調査で今回の結果を予測していた取締役会は先週、Oracleによる公開買付けが不利な結果に終わった場合に備えるよう従業員と顧客に呼びかけた。「株主がさまざまな理由により公開買い付けに応じる可能性があることは理解している」とPeopleSoftのケビン・パーカー社長とフィル・ウィルミントン社長は社員あての書簡で記した。「50%以上の当社株(の株主)が公開買い付けに応じたとしても、Oracleがそれらの株を買ったり、当社を買収できるという意味ではない」

 デラウェア裁判所がPeopleSoftの乗っ取り防止条項の解除を認めなかった場合、Oracleが取る次なるステップは、PeopleSoftの2005年株主総会で取締役会メンバーの過半数を入れ替える委任状争奪戦の展開だろう。PeopleSoftもまた、両社の交渉を進めたいとする株主からの新たな訴訟の数々に直面する可能性がある。

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