Firefoxに関心を示すITマネジャーたち(2/2 ページ)

» 2004年11月29日 15時38分 公開
[IDG Japan]
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 カナダのアルバータ州カルガリーにある小売りチェーンMark's Work Wearhouseのロビン・ライナスCIO(最高情報責任者)によると、同社では一部のサプライヤーおよびビジネスパートナーのWebサイトがFirefoxに対応していないという問題に遭遇した。例えば、同社のパートナーの運送会社のWebページがFirefoxできちんと表示されなかったそうだ。しかし、その運送会社は既にこの問題を修正したという。

 こういった問題にもかかわらず、Mark's Work Wearhouseでは店内システム用のブラウザをFirefoxで標準化することに決めた。ライナス氏によると、これは当然の決定だったという。既に同社のキャッシュレジスターがLinuxで動作しているからだ。

 テキサス州ディアパークにあるHydroChem Industrial Servicesのアプリケーション開発マネジャー、ジョー・ハートマン氏は、約半年の間、自宅でFirefoxだけを使ってきた。同氏は、HydroChemがFirefoxに乗り換えるよう提言したいという。IEのセキュリティを懸念してのことだ。また、「バージョン4以降、MicrosoftはIEの大幅な改良を行っていない」のも不安だという。

 「IEは二流のブラウザに成り下がりつつあるようだ」と同氏は話す。

 ハートマン氏がFirefoxに乗り換えるよう提言するのをためらっているのは、同社がイントラネットアプリケーションでMicrosoftのDynamic HTML技術に投資してきたからだ。

機能も魅力

 Firefoxの魅力的な機能の1つがタブブラウジング機能で、Internet Explorerはこの機能を備えていない。タブブラウジングは、各ページごとに新たにブラウザウィンドウを開かなくても複数のサイトのページを読み込むことを可能にする機能。タブを利用すれば、サイト間の移動も容易だ。

 「この機能は非常に便利だ。一方、Microsoftはこの数年、IEで何をしてきただろうか。彼らはIEを無視してきた」とギャラハー氏は話す。

 Microsoftの製品管理ディレクター、ゲーリー・シェアー氏は、そういった指摘に反論している。同氏によると、Microsoftは、Windows XP Service Pack 2の一部としてセキュリティを大幅に強化するなど、現在もInternet Explorerの改良に注力しているという。「また、Microsoftのパートナーや独立ソフトウェアベンダー各社は、IE用のアドオンや、IEに組み込んで使用するタブブラウジング機能付きのブラウザを開発している」と同氏は付け加える。

 テネシー州キングズポートにあるEastman Chemicalのシステム担当者、キャロル・プレザント氏によると、同社ではInternet Explorerを標準ブラウザとして使い続ける方針だという。「当社の場合、IE以外のブラウザは現実的ではない。多数の社内システムがIEに依存しているからだ」と同氏は話す。

 アリゾナ州フェニックスにあるゴルフ用品メーカーPingの技術サービスマネジャー、デビッド・チャーコン氏によると、同社は今後もInternet Explorerを利用する予定だとしている。

 「だが、Firefoxが機能と使い勝手の両面で基準を引き上げたことは確かだ。Microsoftもそのことに気付いてもらいたい」(チャーコン氏)

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