VAリナックス、トータルなメッセージングソリューションを発表

VA Linux Systems Japanは、オープンソースソフトウェアをベースに高信頼性、高可用性、高性能、拡張性を実現したトータルなメッセージングソリューション「VA FlexMessaging Solution」を発表した。

» 2004年12月07日 14時55分 公開
[ITmedia]

 VA Linux Systems Japanは12月7日、オープンソースソフトウェアをベースに高信頼性、高可用性、高性能、拡張性を実現し、大規模なネットワークサービスプロバイダでの利用までをカバーするトータルなメッセージングソリューション「VA FlexMessaging Solution」を発表した。これまでの開発実績をベースとしたメールシステムの各機能の製品化を行い、さらにそれらをすべてまとめたソリューションとして提供するもの。

 同ソリューションを構成する製品は、postfixをベースに同社が改良を加えたメール配送エンジン「FlexMail」、Maildir対応の独自POPサーバ「FlexPOP」、Courier-IMAPを基に大規模メールシステム向けの改修を行ったIMAPサーバ「FlexIMAP」、Webiインターフェースによる多機能メーリングリストマネージャ「FlexML」、フレキシブルにSPAMメールを排除可能な独自のMTA向けSPAM対策ソフト「FlexGuard」。すでに発表された負荷分散ソフトウェア「VA Balance」、LDAPディレクトリサーバ「VA Directory」、基盤OS「VA Core」と組み合わせることを前提としている。

 メールシステムの各機能(MTA/IMAP/POP/LDAP/NFSなど)ごとにコンポーネントを分散しているため、ユーザー数やトラフィックの増加に対し、該当するサーバやディスクを追加するだけでシステム全体のパフォーマンスを向上させることが可能になるという拡張性を持ち、規模/トラフィックに応じた柔軟なサーバ構成の設計を実現する。

 価格については、稼働するサーバの台数による価格体系が取られており、例えば下図のようにFlexMail、FlexPOP、FlexML、FlexGuardを2台のサーバのみで冗長化して稼働する場合には、メールシステム部分で400万円からとなる。また、5000人規模でサーバ5台によるFlexIMAPのサーバを追加した場合には、650万円からとなる。なお、ソリューションの提供は2005年1月から。

図1 小規模向けメールシステムの構成例(出典:VAリナックス)

 今回の発表について、VA Linux Systems Japanのマーケティング部長佐渡秀治氏は次のように話している。

「VA FlexMessaging Solutionおよびそれらを構成するソフトウェア製品群は、2年前からVAリナックスが手掛けてきた大規模メールシステム構築のノウハウと、そこで開発されたコードをベースに生まれたソリューションです。今年の9月にIBMが通信事業者向けのLinux版大規模メールシステムの販売を開始しましたが(関連リンク参照)、わたしたちは2年前に100万アカウントを越える規模での運用に耐えうるメールシステムを手掛けてきたわけです。当時はInterMail(現在はOpenwaveのEmail)が競合となることが多かったのですが、ある顧客はわたしたちのオープンソースをベースとしたメールシステムにより、億単位のライセンスフィーを払うことから解放され、堅牢性、性能、機能を維持しながら、多大なコストを削減することができました。

 VA FlexMessaging Solutionは、このような実績を基にして、数千人規模の会社から大規模までをカバーする製品群となったものです。ユーザーアカウント数に依存しない価格体系のため、既存の商用製品のようなライセンスフィーの増加という問題を心配することもありません。

 また、本日発表したのは、MTA、POP、IMAP、MLサーバ、SPAM対策だけですが、今後近いうちにWeb対応やウィルス対策などの上位機能が強化され、オープンソースをベースとしたトータルなメッセージング基盤ができあがる予定です」

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