日本SGI、各種センサーと連携可能なモニタリングソリューションを発表

日本SGIは、同社の「SGI ViewRanger」をベースに、センシング機能を実現したセンサーシステムを開発。センサーサーバの「SensorRanger」とセンサータグ「TagRanger」という2タイプのユニットを発表した。

» 2004年12月15日 19時11分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 日本SGIは12月15日、ブロードバンド・ユビキタス・ソリューションの中核として、ユビキタス・モニタリング・サーバ「SGI ViewRanger」をベースに、センシング機能を実現したセンサーシステムを開発、ユビキタス環境に適応するモニタリング・ソリューション・ビジネスを強化すると本日開催された「日本SGI ブロードバンド・ユビキタス・ソリューション 2004」の会場内で発表した。

 発表されたのは、センサーサーバの「SensorRanger」とセンサータグ「TagRanger」という2タイプのユニット。SensorRangerはViewRangerと同様にNetBSDベースのアプライアンスで、Webサーバ機能も内蔵している。そのサイズは一般的な名刺の半分程度。TagRangerに至っては五百円硬貨程度のサイズとなっている。

無線LANカードを装着した「SensorRanger」にいくつかのTagRangerがRS485でつながっているところ。

 SensorRangerはCFカードスロットを持ち、ネットワークインターフェースもViewRangerと同様、LAN、無線LAN、PHSが利用可能なほか、特定小電力無線、RS485(シリアルインターフェース)なども利用可能。TagRanger側は、特定小電力無線、RS485などを用いてセンサーサーバと通信する。また、IPv6にも対応している。

 ViewRangerは主に監視・モニタリング分野で採用されてきたが、今回の発表はセンシング分野のニーズに対応するものといえる。例えば、温度、湿度、振動、圧力、位置、磁気、赤外線などの各種センサーと組み合わせ、情報の測定、集配信、管理・保存、分析などを行うことが可能となる。

 一例を挙げるなら、保冷車の温度管理やビニールハウス内の温度や照度管理など多彩なモニタリングシステムが構築できることとなる。実際はカスタムベースの案件となるようで、TagRangerの搭載メモリも数十Kバイトレベルだけでなく、数十Mバイトまで対応できるとしている。公開された製品も基盤がむき出しであった。

 センシングという意味においては、似たような技術としてRFIDやICタグが挙げられるが、これらは格納するデータ量やデータの伝送方法において機能的な限界も指摘されている。例えばTagRangerでは特定省電力無線を使うことで、RFIDと比べて遠距離かつ数年単位の連続稼働が可能になるとしている。

 もちろん現時点での価格を考えれば、RFIDより単価が高くなるだろう。事実、1000個単位のロットで発注した場合、SensorRangerが1個20万〜25万円程度、TagRangerが1個1万円程度になるという(もちろんカスタムベースを前提とした話で)。「用途ごとにRFIDとミックスして使うのがよい」と和泉氏が話すように、適材適所で使い分けることになりそうだ。特に、センサー連動で何らかのアクション、例えば前述の保冷車であれば温度の変更、などを行うような場合や、ある範囲内における位置情報を把握したい場合などであればこちらのほうが有効かもしれない。

 また、同社の可視化技術や情報セキュリティ関連技術と組み合わせることで、高度なセンシング機能の実現も期待できよう。

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