中堅企業のIT投資、効果や計画の明確化に課題抱える

IDC Japanによれば、国内中堅企業のほとんどは、IT投資が経営強化に不可欠であると認識している一方で、IT投資結果の可視化や今後行うべきIT投資計画の明確化が十分に行えていない現状にあるという。

» 2005年01月07日 22時49分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは1月6日、国内中堅企業におけるIT投資動向の調査結果を発表した。「IT投資は経営強化に不可欠」と回答企業の約9割が考えている一方で、目に見える効果が出ていないなどの課題も浮き彫りになった。

 調査によると、「IT投資効果が可視化できていない」と答えた企業は約8割、「今後行うべきIT投資が具体的に見えない」は5割弱に上った。これを反映し、約7割の企業が今後1−2年間のIT投資額は減少・横ばいとし、IT投資に消極的となる結果になった。

 IDCによると、IT投資の必要性の認識は中堅企業にも浸透している一方、ノウハウやスキルは十分ではないのが現状。投資の目的も単なる事務の効率化から意志決定の迅速化や情報収集力の強化といった戦略レベルへと意識が移りつつあるが、こうした意識をIT投資に具体的に反映させるための態勢が整っていない点が中堅企業の課題と見ている。

 調査によると、中堅企業は解決策をベンダーやSI事業者に求めているようだ。特に(1)自社と業界への理解、(2)導入前後のサポートが求められているという。

 大手企業のIT投資が一服する中、各ベンダーは中堅企業のIT化市場に注力を始めている。IDCによると、中堅企業が求めているのは必要なIT投資の内容と方向性の示唆、導入後の運用ノウハウ。ベンダーは投資を可視化・明確化するコンサルティング的提案を行うことでビジネスチャンスが広がるだろうとしている。

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