Veritas、複数拠点を一元バックアップする新製品リリース

米Veritas Softwareは、ニューヨークでプレス向けイベントを行い、中堅企業を主なターゲットとするデータバックアップ製品の最新版「VERITAS Backup Exec 10 for Windows Servers」をリリースすると発表した

» 2005年01月19日 14時24分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 米Veritas Softwareは1月19日、ニューヨークでプレス向けイベントを行い、中堅企業を主なターゲットとするデータバックアップ製品の最新版「VERITAS Backup Exec 10 for Windows Servers」をリリースすると発表した。日本では1月27日から出荷が開始される予定で、13万8600円と低い価格設定であることも特徴となっている。

 世界から記者を集めた発表イベントの冒頭で、同社のゲーリー・ブルームCEOは、「新製品のBackup Exec 10は、中堅企業がバックアップ業務を集中管理する環境を低コストで行える点が特徴」と製品のハイライトを紹介した。たとえば、従業員が50人程度の中堅企業におけるCIOや経営責任者にとっては、低いTCOがIT投資重要であることが現状という。

 また、米国では企業改革法、日本では4月1日に施行される個人情報保護法により、データを適切に管理することがさらに企業に求められるようになっており、その点からもバックアップ業務の効率化の潜在的なニーズは大きいと言える。

複数拠点のバックアップ業務を一元管理

 この日同社が発表したBackup Exec 10では、複数の遠隔地にまたがるバックアップ作業をWebコンソールを通じて1カ所で集中管理する機能「Central Admin Server Option」が、大きな特徴となっている。

 たとえば、本部と遠隔事業所の3つの拠点で構成される企業では、本部にCentral Admin Server Optionを導入する一方、遠隔の3拠点にはBackupe Exec 10の管理対象となるメディアサーバを設置することで、遠隔地のデータを本部のデータセンターにレプリケーションすることができる。これにより、遠隔事業所では、テープドライブとバックアップソフトが必要なくなる。全体としては、集中管理により、シンプルかつ正確なバックアップ環境を構築することで、ソフトウェアおよび人件費といったコストの削減が可能になる。

ディスクベースのバックアップ

 また、Backupe Exec 10では、ディスクを効率的に利用する多くの新機能も盛り込まれている。その1つがマルチステージバックアップだ。まず、Backup Execをインストールした複数のサーバから、Backup Exec Serverにヒモづく中央ディスクへの同時バックアップを行う。そして、バックアップしたディスクデータをテープドライブに移行させるスケジュールを設定。さらに、ディスクデータには削除するための有効期限を設定する。もし、ユーザーがデータをリストアしなくてはならない場合に、有効期限前ならばディスクからの高速なリストアが可能になる。

 ディスクバックアップのもう1つの特徴として挙げられた機能は、上級副社長のジェレミー・バートン氏が「ディスクベースのバックアップで最もExciting」と紹介した合成バックアップだ。一般に、企業の多くは、週次のフルバックアップバックに加え、日次で差分バックアップを行うことが多い。

 Backup Exec 10の合成バックアップ機能では、最初に行うフルバックアップをベースに、以後は日々の差分データを参照することで、新たなフルバックアップイメージを作成することができる。このため、ユーザー企業は、週に一度の時間のかかるフルバックアップ作業をしなくて済むようになる。「IT管理者が眠れるようになる」といった表現で紹介され、パイロットユーザーも高く評価している。

 米国でトップ10に入るという弁護士事務所であるHolland Knightは、10年以上前からVritasとパートナーシップを結び、新製品であるBackup Exec 10もパイロットユーザーとして利用していた。同社が特に利便性を強調した機能が合成バックアップだ。システムの管理にかかるコストや人件費を、本来の業務に回すことにより、効率性が向上したことを紹介している。

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