Oracleとの協業に備えるPeopleSoftパートナー

PeopleSoftのチャネルプログラムは当面継続されるが、Oracleはチャネルネットワークの統合に向け、PeopleSoftの主要パートナーに接触している。(IDG)

» 2005年01月19日 16時31分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米OracleがPeopleSoftのアプリケーション事業の統合を計画する中、PeopleSoftのリセラー、統合パートナーは自分たちがOracleの戦略にどう当てはまるかを計りながら様子を見ている。

 Oracleは当面、PeopleSoftのチャネルプログラムを残し、パートナーネットワークを統合する最善の方法を模索する。PeopleSoftのプログラムは基本的にそのままで、リセラーは買収される前のPeopleSoftと約束していたのと同じマージンと条件を受けている。

 「当社としてはいかなるビジネスも停滞させたくない」とOracleのグローバルアライアンス・チャネル担当副社長ブロンウィン・ヘイスティングス氏。

 PeopleSoftのチャネルをOracleのネットワークに正式に統合する日はまだ決まっていない。移行をどのように行うかもまだ詳細を考えているところだ。当面、PeopleSoftのパートナーは新しいPeopleSoftライセンスの販売を継続できる。Oracleは、PeopleSoft製品の販売を停止するかどうか、するとしたらいつになるかをまだ明らかにしていない。ただし同社は、新たな売り込みは自前のアプリケーションから始めることを明らかにしている。

 PeopleSoftのパートナーにこの件について聞いたが、多くの業者からは返答がなかった。しかし快くコメントを返したインディアナ州カーメルのInrange Consultingは、Oracleはこれまでのところ、アウトリーチの取り組みをうまくやっていると語った。

 「Oracleの戦略説明には大いに満足している」とInrangeの副社長ケビン・テダー氏。

 InrangeはMicrosoft、Cognosなどほかのエンタープライズソフトベンダーとも提携しているが、PeopleSoftリセラーとコンサルティングの業務が売上の大半を占める。同社はかつてOracleのチャネルプログラムに参加していたが、同社がほかの分野に集中することにさらなる価値を見出した時に、Oracleとの提携は消滅した。現在、同社はPeopleSoftとの業務慣行でOracleと再び協業することに前向きだ。テダー氏は、向こう数年はそうした状態が続けられると予測している。

 「われわれが話をした顧客は皆、PeopleSoftを利用する計画を継続している」と同氏。

 同氏は、実のところ、OracleとPeopleSoftの買収をめぐる攻防が長引いたことは、PeopleSoftが買収される気配が濃厚になってきたこの数カ月、Inrangeのビジネスにとってプラスになったと語った。「PeopleSoftとOracleの顧客はいずれも、合併に至る動きを利用して、必要な追加モジュールやアップデートを購入した」

 合併が成立するとすぐに、Oracle幹部はPeopleSoftの主要パートナーに接触してきたという。

 「間違いなくOracleは先手を打っていた。同社はPeopleSoftにとってどのパートナーが戦略的に重要かを見極めるため、PeopleSoft内、同社内で精査を行ったのだと思う。われわれは既にOracleの幹部陣と取引、提携について話をした」(テダー氏)

 OracleはPeopleSoftの顧客基盤を活用して、自社のソフトをアップセルしたいと考えている。Oracleのヘイスティングス氏によると、同社はPeopleSoftのパートナーに、自社のソフトポートフォリオについて説明しようとしているという。Inrangeのテダー氏は、増員とOracle関連サービスを提供する企業の買収により、Oracleに関する専門知識を増やす計画だと語った。

 テダー氏は、OracleはいつまでPeopleSoftのポートフォリオを新しいソフトとして販売し続けるのかに関して、PeopleSoftパートナーに何の答えも出していないと指摘した。だがPeopleSoftソフトの提供が続くのなら、購入を希望する顧客は見つかるだろうと同氏は確信している。

 「Oracleがこれらの製品を提供する限り、われわれはそれを販売する」(テダー氏)

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