SSAグローバル、RFID対応の物流管理システム最新版リリース

日本SSAグローバルは物流管理センター管理システムの最新版「SSA Warehouse Management 4000 v3.9日本語版」を1月末から販売することを明らかにした。

» 2005年01月26日 20時59分 公開
[ITmedia]

 日本SSAグローバルは1月26日、都内で記者発表会を行い、物流管理センター管理システムの最新版「SSA Warehouse Management 4000 v3.9日本語版」を1月末から販売することを明らかにした。同製品シリーズは、2003年3月に同社が買収した米EXE Technologiesの「EXceed Fullfill 4000」が前身となる。

 v3.9の新機能としては、EPC GlobalのEPCコードをベースとするRFIDに対応したことが挙げられる。具体的には、v3.8で対応していた入荷だけでなく、出荷処理にも対応。RFIDにより、ケース、パレット単位で在庫を可視化することが可能になった。また、納品先への出荷情報の送信方法では、従来のASN(事前出荷通知)とともに、EPCに準拠したRFタグを貼付することも可能になる。

 一方、米国で2002年5月に制定された新農業法に対応するために、原産国ラベル法に基づく機能として、入荷時の検査機能が追加された。さらに、2003年12月に制定された衛生安全保障バイオテロリズム法などに対応するために、出荷時に必要となる生産者、食品の種類および品名、入荷日、量、梱包形態、配送業者、運転手名といった情報の取得や、入荷から出荷までのロット管理、入荷情報と出荷情報の履歴管理なども可能になったとしている。

 また、同社の主力製品の1つであるERP製品「BPCS」との連携もサポートされる。たとえば、出荷処理では、SSA Warehouse Management 4000 v3.9のピック、梱包、出荷数量はBPCSの引き当て情報に基づいて行うことができる。また、BPCSの会計処理に必要な情報は、アダプタを介してBPCSに情報を送ることにより、入荷、出荷、棚卸し、在庫調整を図ることも可能だ。

 実際には、現在のところRFIDの活用自体が実験段階であり、読み取り精度や使用する周波数帯、プライバシーなど、さまざまな問題を抱えている。米国でも、1月からWal-Martが主要取引先上位100社に対してICタグを貼付するよう指示を出し、実際には137社が対応に追われながらこれに従い、ようやくスタートしたばかりだ。このような経緯からも、フォークリフトごと一括で在庫情報を読み取るといった在庫管理が実現するには、実際にはまだまだ時間がかかることが予想される。

 とはいえ、ソフトウェア企業として、RFIDのような注目の技術に対応していることは、他社への差別化という点では重要だ。今回の新製品も、当初は実際のユーザーニーズを満たすというよりも、競合への差別化、または、他社に遅れをとるリスクを回避するといった意味合いも強いと言える。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ