フィオリーナ氏更迭の背景にあるもの

カーリー・フィオリーナ「前」HP CEOは、Compaq買収から今回の突然の更迭まで、株主からのプレッシャーを戦い抜いてきた。(IDG)

» 2005年02月10日 00時42分 公開
[IDG Japan]
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 突然の辞任が発表されたカーリー・フィオリーナ氏の後任に当たるのはHPに36年在籍のベテラン、ロバート・P・ウェイマン氏。同氏は現在のCFO職を兼任しながら新CEOの選任を始めるという。

 会長の後任となったパトリシア・ダン氏は1998年からHPの取締役を務めている。

 HPの取締役会がフィオリーナ氏の責任の一部を他の幹部に譲渡する計画を持っているとの報道が伝えられた。これは、同社の業績が安定しないことへの不満によるものとされていた。

 フィオリーナ氏は2002年5月のCompaq買収時に株主との激しい闘争を勝ち抜いてきた。その当時には株主が合併を拒否すれば、フィオリーナ氏は退社するとの観測がされていた。

 フィオリーナ氏は必要な株主の支持を得たが、それ以来210億ドルの買収成果を上げることが期待されていた。しかし、アナリストの評価は賛否入り交じるものだった。Business WeekとWall Street JournalはHPとCompaqの合併は失敗だったとフィオリーナ氏を批判する記事を掲載し、苦境に立たされた。

 フィオリーナ氏の更迭により、テクノロジー業界は最も高名な女性経営者を失うことになる。フィオリーナ氏はFortuneの「実業界で最も影響力のある女性50人」のリストが1998年に作成されてから2004年にeBayのメグ・ホイットマン氏に取って代わられるまで常にトップにいた。

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